Los Angelesの顔
vol.37 樋髙リオさん
2017-01-14
プロボクサー WBCアジアヘビー級 チャンピオン
WBCアジアタイトルマッチに勝利し、WBCアジアヘビー級チャンピオンベルトを肩にかけるリオ
目指すは世界のてっぺん!
「日本人が届かない」と言われた所へ必ず行く!
―昨年6月に生活拠点をアメリカに移しました。
世界チャンピオンを目指して、ボクシングの本場、アメリカに来ました。ラスベガスでメインの試合をするのを目指してます。まだアメリカで試合をしたことがないので、すごく楽しみです。
去年はロサンゼルスに来て飛ばし過ぎてケガをしてしまいましたが、ケガも直ってきたので、試合の予定についてマネージャーと話しています。 今、自分は35歳です。ヘビー級は49歳でチャンピオンに返り咲いた選手もいるので、その歳までできることは証明はされています。
トップにいけなければ意味がないので、あと2、3年でとマネージャーと話しています。
ー海外での活動というのはいかがですか。
もともと自分はニュージーランドでプロデビューをしたので“アウェー”なのは慣れています。日本だと、応援してくれるみんなの気持ちに応えたいという普段ない気持ちが出てダメでした。勝っても内容がダメでした。いろいろと学んで日本でも勝てるようになりました。
アメリカにはスパーリングの練習に4、5年前から来ていました。日本は小さい選手しかいないけれど、アメリカは大きな選手がたくさんいますからね。
―目指す試合のスタイルは。
マイク・タイソンと身長が同じなんですが、タイソンのようなエキサイティングな試合を目指しています。タイソンはKO率が高いしスピードがある。自分もスピードがあるので和製タイソンになります。
勝ち方は倒して勝つKOがいいです。あの瞬間のためにやってると言ってもいいほどです。
―日本で引退しましたが、なぜ海外で復帰をしたのでしょうか。
一度は引退を考えましたが悔しくて…。自分の目標は世界のてっぺんなのに遠い所で挫折して、それが本当に悔しくて…。成功に導いてくれる方と出会い、「(引退前の試合に)負けたのは理由があるな」と言ってもらい、それで原因を知って克服し、復帰を果たしてアジアチャンピオンになりました。
今、振り返ると、あの頃、試合に対して心がなかったように思います。心がなければ倒せる者も倒せない。気がなかったら倒れない。
経験を通して、「環境を整えられる選手が強い」と分かりました。強い選手は環境が整っている。それはラッキーではなくて、その選手の実力です。自分は環境を整えて復帰して渡米しました。今も、より良い環境にと整えている状態です。
今も壁の連続ですが「この壁は頑張っている人にしか来ない」と、いろいろな所で見るし聞きます。壁があることは“自分にとってプラス”と笑って乗り越えてます。常に崖、壁です。楽しんでやっています「もっとトップスピードで乗り越えていかなぁ」と思っています。年齢も年齢ですから。
相手選手の顔にパンチを繰り出すリオ(右)チャンスとみて一気に攻め立てるリオ(左)
―アメリカに来て自分の中で変わったことは。
アメリカに来て、人生を真剣に考えるようになりました。「自分と闘う」ことをアメリカに来てやりました。今まで、自分ではない何か、環境や人と闘っていました。
「人は鏡」とよく言いますね、「今、自分が見ているのは自分の心」だと。ある方が「人は鏡」だとおっしゃってくださり、なかなか腑に落ちなかったけれど、人に言うことは、全部、自分に言うことだと思うようになってきました。
日本で働いていた頃、若い人に「言いたいことを一回飲め。すると違う結果が来るから」と生意気にも言っていました。しかし自分ができていませんでした。
若い子で、もうそれができるている子がいるというのに、自分はこの年になって、やっと気付きました。
アメリカに来て、自分と闘い、自分としっかり向き合いました。真剣に人生を考えました。人生の折り返し地点にきて、やっとです。まだ現役で幸運でした。これが現役の後に気がついたならば後悔しかないので…良かったです。
「日本人が届かない」と言われた所へ必ず行きたい。絶対に世界チャンピオンのタイトルを獲得します。
―世界タイトルマッチに向けて、ロサンゼルスでも応援が盛り上がるといいですね。
試合に向けて企業サポーターと個人の方からのサポーターを募集しています!みなさん、応援をよろしくお願いします。
樋髙リオinfo:大阪府東大阪市出身
後援会 hidakario.funclub@gmail.com
facebook @Hidaka Rio
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

