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特別寄稿

Vol.30 「親が暮らす実家が高齢者には、超危険ゾーン?介護が必要になる原因・第4位は『転倒骨折』」
 外よりも安全なはずの自宅が高齢者にとっては超危険ゾーンとは、どういうことなのでしょうか。それは、自宅での「転倒・骨折」が認知症の発症や要介護の引き金になっているからです。親御さんが暮らしているあなたの実家は、安全ですか?いまいちど、実家のことを思い起こしてみましょう。今回は介護が必要となった原因をご紹介しながら未然に防ぐ方法をお伝えします。
 
突然介護が必要になる原因。
意外と多いのは「家の中での転倒・骨折」。

 厚生労働省の報告によると介護が必要になった原因の構成要素は次のようになっています。
 
【介護が必要になった構成要素】
1位:認知症 17.6%
2位:脳血管疾患(脳梗塞等)16.1%
3位:高齢による衰弱 12.8%
4位:転倒・骨折 12.5%
5位:関節疾患 10.8%
            出典:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
 
 ここで注目したいのが、4位の転倒・骨折。約10人に1人は転倒・骨折が原因で介護が必要になっています。この転倒・骨折は普段住んでいる家の中で起こるケースが多く見られます。大きな段差で転ぶのではなく、カーペットの縁や引き戸のレール部分など「小さな段差」につまずいて転倒・骨折事故となり緊急入院。そして、退院後は筋力の衰えなどで介護が必要となっています。
 
ヒートショックも要注意!
突然介護が必要にならないように、住宅改修で未然に防ぐ。

 転倒・骨折による事故を未然に防ぐには、階段やトイレに手すりを付ける、床を滑りにくい素材に交換するなど、自宅をバリアフリーにすることで未然に防ぐことができます。もうひとつ注目したいのが「ヒートショック」。ヒートショックとは急激な寒暖差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことです。暖かい居室からトイレに行くと寒さに震えてしまうなど、急激な寒暖差が高齢者にヒートショックを引き起こす原因となります。これらは台所や浴室の床、トイレの便座を暖かくすることなどで予防できます。ちなみに、介護が必要になり自宅をバリアフリーに改修する場合、一定の基準を満たして必要な手続きを行えば介護保険制度が使えます。詳しくは地域包括支援センターなどにお問い合わせください。
 これから寒くなる季節、家の中で起こる転倒・骨折やヒートショックを未然に防ぐことで安心の暮らしを続けていきたいですね。

 
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 Tel: 858-380-5899 /Emai:info@azunaservicecenter.org

ひとくちメモ ~私の母82歳~ No.30
「兄が交通事故で突然他界。母の気持ちは』の巻

 東京へ呼び寄せ、私達夫婦の家の近くに住んでいる母。兄と母の「これからのこと」を話し合った1週間後、兄は交通事故で突然逝った。兄のお嫁さんや子ども達の「これからを支えること」、そして、事故や葬儀の対応に注力していたので、私は母の気持ちを思いやることはできなかった。「親戚への連絡は私がするね。」「情報が混乱するからお母さんは入らんといてね。」ことあるごとに母にキツク言ってしまう。火葬場でも涙を見せなかった気丈な母。葬儀で兄の友人から優しい言葉をかけられると母は嗚咽して涙を流した。(続く)

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