敬老シニアヘルスケアが4施設売却について説明①
2015-10-21
10月15日のミーティング内容を掲載
1961年、8人の日系アメリカ人リーダーたちが、高齢の日系人たちのニーズに応えるために敬老シニアヘルケア(以下、敬老)を設立した。それ以来、敬老は長年にわたり、多くの日系人高齢者が親しみのある言葉、食べ物、価値観で暮らせる「自宅」のような環境を提供してきた。
今年6月2日、敬老は、4施設(敬老ナーシングホーム、サウスベイ敬老ナーシングホーム、敬老中間看護施設、敬老引退者ホーム)を売却する契約をパシフィカ社(Pacifica Companies LLC、 本社:サンディエゴ)と結び、9月8日には、施設売却における条件が加州司法長官より承認されたと発表した。現在はエスクローに入っている。
10月15日、敬老はリトル東京の西本願寺において、施設のオーナー変更についての経緯をコミュニティに説明し、コミュニティからの質問と意見を受けるミーティングを設けた。これを受けて、コミュニティの人々から本紙に多くの声が寄せられた。
「どうしても敬老は4施設を売却しなくてはならないのか」「どうにか敬老売却を阻止できないか」「売却後の敬老のサービスはどうなるのか」「私たちの老後にどう影響するのか」「今、敬老で暮らす人はどうなるのか」「売却されても、日本語を話す現在の敬老スタッフはそのままなのか」
コミュニティの人々の「知りたい」ポイントを含め、敬老4施設売却に関する情報や意見、またロサンゼルスに暮らす新一世や日本人の老後についてシリーズで掲載する。第1回目の今日から「知りたい」という声が一番多かった10月15日の「敬老主催ミーティング」の内容を連載する。
西本願寺の体育館ステージ前には、敬老CEOのショーン・ミヤケさん、敬老理事長のゲリー・カワグチさん、敬老理事のアーニー・ドイザキさん、カリフォルニア州で複数の高齢者施設を所有運営し、敬老4施設の新オーナーとなるパシフィカ社を代表してタイラー・バーディエックさん、実際に3施設(*)を運営するアスペン・スキルド・ヘルスケア社(Aspen Skilled Healthcare, Inc.、本社:ラグナ・ニゲール)を代表してライアン・ケースさんの5人が座り、その目の前にはコミュニティの約400人の参加者が座った。参加者の多くが「Save Keiro」「Stop the sale」といったサインやうちわを持ち、敬老施設売却に反対するコミュニティ・グループ「敬老を守る会(Save Keiro Ad Hoc Committee)」が用意した赤い布を肩にかけて、売却に反対する意志を表明した。
敬老シニアヘルスケア理事長のゲリー・カワグチさん
ミーティングは、敬老理事長のカワグチさんから、多くの参加者がミーティングに出席したことへの謝辞から始まった。
敬老シニアヘルスケア理事長のゲリー・カワグチ
敬老が培ったもの、私たちのコミュニティに提供したものを、私は長年の敬老のボランティアとしてサポーターとして評価しています。私が最初に敬老でボランティアをしたのは、高野山のボーイスカウトでイーグルのバッチをもらいたくてリンカーンハイツでのコミュニティプロジェクトに参加した時です。その後、現在28歳の私の娘がストローラーに乗って「敬老のビジョンミーティング」に参加したのを思い出します。
私の父が他界してまもなく(敬老創設者の)フレッド和田さんとジョージ荒谷さんから理事にならないかと依頼されました。私は敬老においてボードメンバーとしてボランティアとして関わってきました。私たちは、敬老が私たちのコミュニティの高齢者をサポートすることを使命としていることを信じています。
あなた方全員が考えや気持ちを分かち合っていること、あなた方も私たちのコミュニティをサポートしたいからこの場にいることを私は分かっています。敬老のリーダーはあなた方の声を聞くために、今夜、ここにいます。そしてあなた方にもお願いがあります。私たちが分かち合いたいと思っていることに、どうか耳を傾けてほしいのです。私たちのコミュニティをサポートするよう前進するために論点と事実をより理解することが目標です。
あなた方の声を聞きたい、コミュニケーションをとりたいという気持ちで、私は最近開かれたパブリックフォーラム(9月29日に開かれた敬老を守る会のこと)に出席して、みなさんが施設の移行に関する追加情報を知りたいという声を聞きました。羅府新報のサポートがあり、印刷やインターネットで情報がシェアされ、敬老のウェブサイトも更新されました。今夜、私たちは、敬老スタッフ、理事、そしてパシフィカ社とアスペン社の代表による意見に続いて、皆さんが意見を述べ質問をする時間を持てるようにしています。
今夜の進行役を務めるティム・マナカさんをご紹介しましょう。 (つづく)
(*)敬老がこの度に売却することを決めた4施設(敬老ナーシングホーム、サウスベイ敬老ナーシングホーム、敬老中間看護施設、敬老引退者ホーム)のうち、アスペン・スキルド・ヘルスケア社(Aspen Skilled Healthcare, Inc.、本社:ラグナ・ニゲール)が運営するのは3施設(敬老ナーシングホーム、サウスベイ敬老ナーシングホーム、敬老中間看護施設)で、 ノーススター(Northstar)が敬老引退者ホームを運営する。
「敬老を守る会(Save Keiro Ad Hoc Committee)」とは。
9月初旬、敬老施設売却を知ったコミュニティの4人が売却に反対しようと立ち上げたグループ。9月29日と10月13日に誰でも参加できるミーティングをリトル東京のセンテナリー合同メソジスト教会で開き、のべ数百人が参加して売却阻止に向けた対策を話し合った。現在は、加州司法長官宛とショーン・ミヤケ敬老CEO宛への要請書の支持を求める署名運動を行っている。
www.savekeiro.org (署名はサイトからできる。)
=Tomomi Kanemaru

