敬老シニアヘルスケアが4施設売却について説明 ⑥
2015-11-06
本紙読者から多くの要望が寄せられたため、10月15日にリトル東京の西本願寺において開かれた敬老シニアヘルスケア(以下、敬老)主催の4施設のオーナー変更についてのミーティングの模様をレポートする。
敬老施設売却中止を訴える「Save Keiro AD Hoc Committee」の赤い布をつけて発言するドクター・マツモト(中央)
ティム・マナカ引退者ホーム理事/司会者
カワナさん、ありがとうございました。
コメントなどがありましたら、さきほど申し上げたように規定の紙にご記入ください。
ドクター・マツモト(MD)
MDのタケシ・マツモトです。
少し長くなるかもしれませんが、さきほどショーン・ミヤケ敬老CEOは、敬老施設売却の理由について、人口統計学的な変化とヘルスケアの制度改革の2つをあげました。私がお聞きしたいのは、「なぜ敬老を次世代の人々と他の民族グループのための施設に変換するという選択ができないのか?」ということです。(このような変換は)問題がないと思います。言い訳になりません。あなたたち、敬老理事たちは敬老を変えることができますし、他の人々を受け入れることもできます。
メディケアとメディカルの契約ができない理由が私には理解できません。なぜなら、敬老の近所にあるナーシングホーム、ホーレンベック・パームズは、1890年にNPOとして設立されて家族で経営しています。決して大きくはありませんが、現在のHMOのメディカルとメディケアに対応して今もしっかりと運営しています。あなたたちも、いくつかのポリシーをホーレンベック・パームズのように変えることができます。ホーレンベック・パームズの1/3の入居者は日本人・日系アメリカ人です。
他の質問は、契約についてです。なぜ敬老は、他の病院やグループと契約できないのでしょうか?敬老を売る必要はないのではありませんか?
あとは、メディケア、メディカル、HMOの制度改革は、引退者ホームには影響しないはずです。引退者ホームを売却する理由が全く見あたりません。よって敬老施設を売却する必要はありません。
まずパシフィカ社がアスペン・スキルド・ヘルスケア社に運営を任せるのですから、敬老が運営できないのでしたら、同じように敬老も他の会社に委託できるはずです。
ティム・マナカ引退者ホーム理事/司会者
ドクター・マツモトへの質問を、ミヤケCEOに答えてもらいます。他にも質問や意見を述べたい人たちがいるので、どうか、みなさん落ち着いてください!
(左:ドクター・マツモト(MD)、(右)ショーン・ミヤケ敬老シニアヘルスケアCEO
ショーン・ミヤケ敬老シニアヘルスケアCEO
ドクター・マツモトはいくつか質問をされましたが、私たちは敬老が前進するために、ドクター・マツモトがおっしゃった事柄についてはすでに議論しました。
ホーレンベック・パームズのことについて話したいと思います。ホーレンベック・パームズは引退者コミュニティへのケアを継続し、ライフケアを提供します。何が起きているかというと、ホーレンベック・パームズはファイナンシャル・スクリーニングといって、入居者希望者が入居するだけの十分なお金を持っているかどうかを入居前に調べます。これまでも敬老からホーレンベック・パームズへ移ろうとした人たちがいますが、彼らは認められませんでした。
幾つかの理由が考えられます。一つは十分なお金がなかったから、一つは、ホーレンベック・パームズが入居を許可する健康状態ではなかったからでしょう。
ホーレンベック・パームズのようになるには、コミュニティの入居者を選別しなければなりません。ホーレンベック・パームズは入居者の30%が日本人であって、敬老と違い、入居者の90%が日本人というわけではありません。多くの人がホーレンベック・パームズに入居する十分なお金がないのです。
誰とでも契約をすることについてですが、敬老の使命は「日系コミュニティにサービスを提供する」ことですので、ドクター・マツモトがおっしゃったように、誰とでも契約をすることはできますが、そうなると敬老は他の施設と同じになってしまいます。敬老に多額の寄付をくださる方々と話したところ、敬老は日系人にサービスを提供しなければならず、誰にでもサービスを提供する組織をサポートすることにはそんなに関心がないようです。ドクター・マツモトの考えと提案は素晴らしいのですが、ヘルスケアが今日向かっている方向は、日系人が敬老に入居することを制限します。
もし敬老施設が売却されたならば、今日のヘルスケアにおいてきっと施設運営はこれからの5年間で成功するでしょう。また敬老シニアヘルスケアは、売却したお金を日系コミュニティのために使うことを考えています。(出席者から「ノー」という声があがる)いいですよ、みなさんのご意見をありがとうございます。
私たちの考えでは、次の両方のことができます。ヘルスケアの制度改革の中でも敬老施設はこれからも良い状態で保ちながら生き残ることができ、また、日系コミュニティの自宅で暮らす人々により良いサービスを提供することができます。
「たったの5年間なの?」という声をよく聞きますので、アスペン・スキルド・ヘルスケア社のライアンさんに5年後のことを話してもらいましょう。
ドクター・マツモト(MD)
コメントをしてもいいでしょうか?
ティム・マナカ引退者ホーム理事/司会者
コメントは受け付けません。話したい人が他にもいるので。
ドクター・マツモト(MD)
あなた方はすでにコミュニティを見捨てたのですから、私たちはもう親切にはしないということをあなた方もお分かりだと思います。
施設は変化していくことでしょう、結局。変化しなければなりません。そうならば、売却するかわりに、私たちの中で変化したらどうでしょうか?ホーレンベック・パームズに関してですが、今後の5年のうちにホーレンベック・パームズのように料金もあがれば、結局は敬老の施設には(資産が十分になければ)誰も住むことができくなるでしょう。
ショーン・ミヤケ敬老シニアヘルスケアCEO
それは、憶測というものです。みなさん、5年後のことは分かりません。みなさんは分からないということを認識しなければなりません。どうか大人になってください。ありがとうございます。
誰も分からないでしょう?そうでしょう?5年後に何か起きるのか分かりません。だから、アスペン・スキルド・ヘルスケア社のライアンさんにナーシングホームについて、5年後に何が起きるのかを聞きましょう。彼がここにいるのは、このためです。憶測ではなくて、どうなっていくかを説明してもらいましょう。
アスペン・スキルド・ヘルスケア社
ライアン・ケースさん
短いコメントにします。そうすれば多くの方が話せるからです。
しばらくは、今日のように敬老がオペレートされている状態を変える計画はありません。しかし、みなさんの前で「変化が全くない」と言うような愚かな発言もしません。変化はあるでしょう。とても小さくて誰も気がつかないような変化になるでしょう。ヘルスケア制度が変るのですから、私たちも少しは変化しなければなりません。私たちは、マネージケア会社との契約をしなければなりません。これは敬老を守るために、これからも日系コミュニティにサービスを提供するために、とても重要なことです。
私たちのゴールは、 日系コミュニティと敬老が培ったことに敬意を払いながら、これらの変化にゆっくりと対応することです。
みなさん、私たちがメディカルと契約しないと心配されているようですが、敬老施設の多くの患者さんたちがメディカルを使っています。私たちがメディカルを解約することはありません。ビジネスをこれからも前進するためにも、そのようなことはしません。ありがとうございました。
ティム・マナカ引退者ホーム理事/司会者
ライアンさん、ドクター・マツモトさん、ありがとうございました。さあ次のスピーカーへと進みましょう。
(つづく)
=Tomomi Kanemaru

