敬老シニアヘルスケア4施設売却と日系高齢者の今後vol.4
2015-11-28
敬老が「敬老を守る会アドホック・コミティ」へ回答
日系コミュニティの高齢者の生活を豊かにする目的で作られた敬老シニアヘルスケア(以下、敬老)の4施設の売却に反対する「敬老を守る会アドホック コミティ(以下、敬老を守る会)」は、11月18日に、ショーン・ミヤケ敬老CEO宛に集めた嘆願書をミヤケ氏に手渡すために敬老施設を訪問した。しかしミヤケCEOには会えず、代理としてジーン・カナモリ敬老人事担当者が受けとった。同日、ミヤケ敬老CEOは「敬老を守る会」のチャールズ・井川代表に回答を送った(手紙全文も下記に掲載)。
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「敬老を守る会」は、施設売却に反対する運動の一環として、カリフォルニア州司法長官宛に「売却のプロポーザルについての再審査と売却許可の申請を却下する」ことを求めた嘆願書と、ショーン・ミヤケ敬老CEO宛に「敬老施設売却に関する理事会討議の議事録の全て、敬老の財務管理記録の全て、施設売却を勧めるに至った外部専門家による調査結果リポートの全て、敬老施設売却完了後におけるパシフィカ社管轄下の敬老管理組織計画の内容説明(現行の敬老スタッフの中、誰が、如何なる位置づけで残るかについての説明も含む)の提出」を求めた嘆願書を、賛同者から募っている。11月18日、井川「敬老を守る会」代表ら8人はミヤケCEO宛の嘆願書をカナモリ敬老人事担当に手渡した。
ミヤケ敬老CEOは、「敬老を守る会」代表の井川氏へ宛てた回答文書の中で、同会からの手紙と請願書を受けとったことを明記し、また、敬老施設の売却は、長年にわたり協議や市民集会を行った結果であることを改めて表明した。
ミヤケ氏は、11月5日にカリフォルニア州司法長官の事務局から「敬老を守る会」が提出した嘆願書への正式回答についても触れ、司法局は徹底的な検討プロセスを経た上で、敬老の4施設売却を承認したことを再確認した。そして、敬老は敬老が司法長官事務局に提供した情報や事務局から入手した公開情報を保存したCDを「敬老を守る会」に提供した。これらの情報は、すでに「敬老を守る会」のウェブサイトから入手可能となっている。
「敬老を守る会」が要求した全職員のリストについて、職員のプライバシーを保護をしている敬老は、パシフィカ社との売却条件の中に、全施設職員の雇用継続が明記されていると強く訴えた。「なぜ『敬老を守る会』が職員の個人情報を得る権利があると考えているのかは依然として不明だ」と敬老は声明を出した。
ミヤケCEOは井川氏宛ての手紙の中で、井川氏には、コミュニティ諮問委員会(CAB:Community Advisory Boad)のメンバーとなり、敬老の施設の将来に向けた支援を行うよう要請。「敬老の居住者に対するあなたの熱意は、州司法長官が要求する居住者に関わる条件を売却後も確実に維持するために役立つと思われます」という言葉で手紙を締めくくった。
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敬老施設のコミュニティ諮問委員会(CAB)は、居住者のための文化的一貫性のあるサービスの維持に役立つ意見や提言を行い、施設の新経営陣を支援することを目的として設立される。CABのボランティアメンバーは経営陣とコミュニティの橋渡し役となる。CABのメンバー申請書は、現在も受付中だから、2015年12月15日に締め切る。CABメンバー申請書と関連情報は、敬老のウェブサイトで入手できる。
www.keiro.org/community-advisory-board
敬老とパシフィカ社は、2015年6月2日に、敬老の4施設(敬老看護ホーム、サウスベイ敬老看護ホーム、敬老中間看護施設、および敬老引退者ホーム)に関する資産売買契約についての共同声明を発表した。同年9月8日に、敬老とパシフィカは、カリフォルニア州司法長官による条件付施設売却許可について発表し、売却手続は2016年初めに完了する予定。
施設譲渡に関するこれまでの経緯については、敬老のウェブサイトまで。
www.keiro.org/updates
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【手紙全文】
2015年11月18日
「敬老を守る会アドホック コミティ」代表 チャールズ井川様へ
本日お手紙と請願書を受領致しましたことをここにご連絡申しあげます。
ご承知の通り、このたびの運営移行は長年にわたり協議や市民集会を重ねた結果、実施されるものです。敬老は売却プロセスについて常に透明性を確保して参りました。敬老の理事会と幹部職員は、居住者全員やその家族、スタッフおよびボランティアの人々と会合を持ち、当売却に関する協議を行いました。また私たちはコミュニティの人々からの質問に対して必ず正直に回答するよう常に努力して参りました。
過去の例を考えても、カリフォルニア州司法長官が同様の売却を容易に承認することはありません。このたび、司法長官自身が再確認したように、本売却の承認は厳格で徹底的な検討プロセスを経た上でようやく認められたものです。もし司法長官が敬老居住者の保護がなされていないと感じたならば、本売却申請を拒絶したでしょう。しかし私は懸案中の売却について敬老がコミュニティとの意思疎通を図っていないと貴組織が度々主張することを、とても残念に思っています。2015年11月5日付けの司法長官事務局から発せられら貴方宛の書状にも以下のように述べられています。
「司法長官の検討」には、過去2年間に実施された約60の売却に関するコミュニティ集会の詳細な経緯を示す2,000ページを超える情報の徹底的な検討が含まれている。敬老サービスは売買契約案の詳細とその必要性に関する情報を、居住者とその家族との話し合いやコミュニティイベントやワークショップの場で、スタッフやボランティアの人々には直接の面談または書面で、またインターネット上の出版物、Eメールでの通信、プレスリリース、および日英両言語による書面での発表などを通して提供してきた。さらにコミュニティのメンバーには、売却案をニュースとして頻繁に取り上げ伝えてきた。最終的に敬老サービスは、その全施設において売却に関する資料の入手方法を示す公告を行ってきた。
井川様の書類提出要請につきまして、要請された全書類のコピーを保存したCDを本状と共にご提供いたします。これらの書類はここ数ヶ月間、井川様を含む一般の人々に公開されており、司法長官事務局よりCDで提供されました。実のところ同書類のすべてが井川様のウェブサイト上で一般の閲覧およびダウンロードが可能のように思われます。
最後に、私は井川様が敬老のコミュニティ諮問委員会のメンバーとなられ、敬老施設の将来に向けた支援をされるようお願い致します。敬老の居住者に対する貴方の熱意は、カリフォルニア州司法長官が要求する居住者に関わる条件を売却後も確実に維持するために役立つと思われます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ショーン・三宅社長兼最高経営責任者
(323) 980-7500
(323) 263-2163 fax
smiyake@keiro.org
www.keiro.org
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=Tomomi Kanemaru

