中脇雅裕・音楽プロデユーサーに聞く!
2017-06-16
中脇雅裕氏はきゃりーぱみゅぱみゅやPerfumeと中田ヤスタカ氏を結びつけて、彼女たちを日本のポップカルチャーのアイコンとして世に送り出した音楽プロデユーサー。たくさんのアーチストや作品を手がけヒットを生み出し続ける中、中脇氏は新しい取り組みとして「グローバルスタンダートで活躍できるアーチスト、クリエーターを発掘して育成すること」を目標として掲げている。
------今回の渡米の目的は
「6月7日の日米協会主催の晩餐会に出席するためです。日米間の文化とビジネスを繋げることをコンセプトにしている日米協会と私のとり組みがマッチするのは何かと考え、以前から知り合いでありLA在住で、コカコーラのCMソングで注目を浴びている『レイラレーン』という日本人男性とアメリカ人女性のデュオを紹介し、今晩彼らはパフォーマンスをすることになり、私もギターで共演します」
------最近よく渡米されていますね
「きゃりーぱみゅぱみゅが5、6年前からワールドツアーを始めまして、幾つかのライブに同行しました。そしてそれなりの満足感はありました。しかし、日本では万単位のお客様が足を運んで会場まで来てくれるのですが、 ロンドンやニューヨーク、そしてLAでも2、3千人、頑張っても4千人が精一杯という感じでした。それはPerfumeの北米ツアーも同様だと思います。その逆に外国人のアーティストが来日した時は、やはり万単位の人で会場が埋め尽くされる。そのギャップを埋めたくて、リサーチも兼ねてこちらに頻繁に来るようになりました」
------アニメや邦画が日本以外で評価されていますが
「1963年『スキヤキ』が米国でNo.1になってから日本の曲がビルボードのトップ10に入ったことはありません。あのヒットは東京オリンピックの前年でした、そろそろ東京オリンピックも近いので、いい楽曲が出て来て欲しいなと思っています」
------今年 4月南カリフォルニア大学において講演されたとお聞きしました
「USCのMBAの学生さんを対象に日本のエンターテイメントビジネスについてスピーチさせていただきました。今世界で一番CDが売れているのは日本です。そのマーケティングの秘密を教えました。そして、当地のプロデューサーとこれからのストリーミングやYouTubeが主体になる音楽産業の話をしました。とても良い経験になりました」
------日本での新たな取り組みは
「音楽教育の経験とメンタルコーチングの知識を生かした講演、研修、個人コーチングも行っております。今年4月より東京大学原田達也教授の研究室との『AI による作詞・作曲プロシェクト』の共同研究を開始しました。今月末日からAIが一日200曲ずつ作る予定です。AIの仕組みとは良いとこ取りです。また、楽曲データを入れ込むわけですが、似た曲ができたときも自己学習機能がありますから、それをはじきますので似た曲はできないのではないかと思っております」(聞き手・冨山敏正)