Discover Japanese Craft Spirits
2019-03-30
日本政府主導で焼酎と泡盛をLAでPR
焼酎を使ったカクテルがレストラン関係者らに提供された
日本では知られている焼酎と泡盛も、アメリカではまだまだ認知度が低い。近年、アメリカでは日本酒が人気だが、一方で「What is SHOCHU?」「What is AWAMORI?」と、焼酎と泡盛が日本を代表する酒類だということもまだ知られていない。
そこで、2月、在ロサンゼルス総領事館とJETROのロサンゼルス事務所がタッグを組み、多様な人種や文化が共存するロサンゼルスで、焼酎と泡盛の認知度アップをするプロジェクト「Japanese Craft Spirits Month」を1ヶ月間にわたり行った。
焼酎と泡盛を広く知ってもらおうと、「Japanese Craft Spirits Month」ではロサンゼルスにある約50のレストランやバーがプロモーションに参加し、来店したお客に焼酎と泡盛のいろいろな飲み方ーカクテル、ロック、水割り、お湯割ーなどを提案した。またメディアやインフルエンサーに加え、ウェブサイト、フェイスブック、インスタグラムのSNSを活用して、アメリカの消費者に焼酎と泡盛の魅力と共に焼酎と泡盛を飲める店を発信した。
プロジェクトの担当者によると、この機会に複数の米系レストランが焼酎と泡盛を扱い始めたという。
プロジェクトの最後にはB to Bのイベントを総領事公邸で行い、ビジネスチャンスもクリエート。焼酎と泡盛のディストリビューターがブースを出し、招待された米系のレストラン関係者やバーテンダーはバラエティ豊富な焼酎と泡盛を味わいながら、食事とのペアリングの可能性も探った。また、焼酎講座や泡盛講座を設け、それぞれの製造過程や特徴などについても発信し、知識の面からもレストラン関係者の好奇心を満たした。
プロジェクト担当者は、「SNSを開設して、インスタグラムもフォロワーが増えました。メディアでも取り上げられたので、『SHOCHU』『AWAMORI』という単語自体を知ってもらう機会になったと思いますし、情報発信という点からは成果があったのではないかと思います。今回の企画から成功した部分と今後の課題が分かったので、来年以降はどのような形でするかなどを考えていく必要があります」と、プロジェクトを振り返った。
国税庁の調査では、2018年のアメリカへの焼酎の総輸出量は530,258リットルで、清酒の5,951,657リットルと比べると1/11だが、このデータからは焼酎や泡盛の輸出がまだまだ伸びる可能性も見える。近年のアメリカでの日本酒ブームは、日系ディストリビューターたちが40年以上もかけて開拓した賜物と言えるが、今後は今回のプロジェクトのように官民がより一体となって海外で日本食文化をPRする。ブームは一朝一夕では作れないが、今回のプロジェクトで少しずつだが確実に新焼酎ファン、新泡盛ファンを獲得した。この実績が今後の広がりにつながることが期待される。
焼酎と泡盛と食とのペアリングも提案 (右)いろいろな飲み方を提案
ウェブ:japanesecraftspirits.com/
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Instagram:
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