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在ロサンゼルス日本国総領事館 令和2年春の叙勲受章者伝達式

2021-03-21

ナンシー・キョウコ・オダ氏が受章

 在ロサンゼルス日本国総領事館は、元 サンフェルナンドバレー日系アメリカ人コミュニティセンター会長及び現ツナ・キャニオン拘置所連合会会長のナンシー・キョウコ・オダ氏(令和2年春の叙勲受章者)に対する叙勲伝達式を3月11日に行いました。



ナンシー・キョウコ・オダ氏 【旭日双光章】

 ナンシー・キョウコ・オダ氏は、昭和53年以降40年以上に亘り、サンフェルナンドバレー日系アメリカ人コミュニティセンターの会員として活動し、平成23年に同氏は小学校の校長の職を17年間務めた経験と優れた指導力から、同コミュニティセンターの会長職に就任されました。2年間の会長任期終了後、現在も役員を続け1000の家族会員を持つ同コミュニティセンターの発展を支え,日米交流の促進に多大な貢献をされています。

 会長就任の年の平成23年に東日本大震災が発生し、同人は同コミュニティセンター及び地域の日系団体等に働きかけ、積極的な募金活動に取り組まれました。年間を通じて集まった義援金計11万ドルを日本に送金し、5年後の平成28年には震災孤児を支援するための義援金募金イベントも開催されました。

 ツールレイク強制収容所で日系三世として生まれたオダ氏は、生き延びることができたからには収容所での出来事を伝えていく責任があると確信し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の東アジア研究学科に在籍中、父タツオ・イノウエ氏が強制収容所での出来事を記録に残した「ツールレーク軍事刑務所日誌」の英語翻訳に取り組まれ、平成30年には第2次世界大戦中の日系人の歴史を保存するUCLAのスヤマ・プロジェクトの一環として、同日誌の英語翻訳版をオンライン出版しました。

 平成25年6月、荒地となり住宅地開発が計画されていたツナ・キャニオン拘置所跡がロサンゼルス市の史跡に認定され、同氏はツールレイク収容所生存者であり、サンフェルナンドバレー日系アメリカ人コミュニティセンターの会長としての高い指導力を発揮していた功績が認められ、平成26年、ツナ・キャニオン拘置所連合の初代会長に就任し、非営利団体として発足させました。

 オダ氏の主導の下、ツナ・キャニオン拘置所の歴史的事実の認知を広める巡回展が企画されると共に米議会による日系人収容所助成金プログラムから助成金を獲得し、巡回展の実現に至っています。この巡回展「オークの木だけが知っている」は、2000人以上の拘束された日本人、ドイツ人、イタリア人移民及び送還された日系ペルー人の拘置所での経験を写真、手紙、日記などによって紹介するもので、西海岸12か所で開催されました。同連合発足以前はほとんど知られていなかったツナ・キャニオン拘置所は、同氏の優れた統率力と同連合の活発で継続的な広報活動及びロビー活動の結果、平成31年にはロサンゼルス市が確保したツナ・キャニオン拘置所跡の一部の土地に拘置所跡地看板が設置されるに至りました。

 また、日系人強制収容の歴史を若い世代へ伝えるべくカリフォルニア大学ロサンゼルス校、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校及び同ロングビーチ校他、多数の高校や教育団体に出向いて強制収容の事実を後世に伝える活動に積極的に取り組んでこられました。



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