令和2年春の叙勲受章者を発表 ブライアン・キトウ氏が受章
2021-03-07
在ロサンゼルス日本国総領事館は、小東京防犯協会会長及び風月堂経営者のブライアン・キトウ氏(令和2年春の叙勲受章者)に対する叙勲伝達式を2月26日に行いました。
ブライアン・キトウ氏 【旭日双光章】
ブライアン・キトウ氏は、平成3年、南加日系商工会議所及びリトル東京ビジネスアソシエーションから要請を受け、サトル・ウエダ会長の下、「小東京防犯協会」の副会長に就任し、平成13年には会長となって、今日に至るまで約30年間に亘り、リトル・トーキョーの治安改善に大きく貢献されてきました。
「小東京防犯協会」は、昭和57年に、南加日系商工会議所の会員が、ロサンゼルスのダウンタウン内にあるアメリカ最大の日本人街であるリトル・トーキョーの治安の悪化を懸念し、地元商店等に寄付を呼びかけ、リトル・トーキョー内の夜間の巡回警備員を配備したことがきっかけで設立されました。キトウ氏は、同協会副会長就任後、これまで配備されてきた夜間の巡回警備員に加え、ボランティアを集って「パトロール隊」を結成し、ロサンゼルス市警察(LAPD)にパトロール車の同行を要請して一緒にパトロールを実施するなど、日系コミュニティに対する安全な街づくり・治安改善に取り組まれてきました。
平成7年1月31日のロサンゼルス・タイムズ紙は、同氏の活動を取り上げ、「ロサンゼルス警察によると、パトロールを一緒に始めてから、リトル・トーキョーにおける犯罪率は前年比66%も減少」した旨掲載しています。
平成8年、同氏は、リトル・トーキョーのビジネスコミュニティのボランティア及びロサンゼルス市と協力し、地域の防犯と観光旅行者のための案内所として、LAPDと小東京防犯協会が運営する「小東京交番」を開設しました。同交番は、リトル・トーキョーの治安改善に向けて大きく貢献したとし、平成16年には、外務大臣表彰を受賞されています。
平成20年の二世ウィークでは、ロサンゼルス七夕祭り実行委員長として、七夕祭りを盛り上げ、東日本大震災後には、東北、特に仙台市の復興支援に尽力されました。また、小東京防犯協会会長として、積極的な募金活動に取り組まれました。
同氏は、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校・パット・ブラウン研究所から依頼を受け、これまで計880人の南カリフォルニア地域全体に及ぶ警察官を対象に、地元警察と連携したコミュニティの治安改善に向けての取り組みにかかる講義を実施されるなど、警察官の育成にも貢献され、また、日系人警察官候補者の発掘、育成に向けても務めてこらえました。
なお、キトウ氏は、明治36年に開店したリトル・トーキョーにおいて最も長い歴史を誇る個人商店「風月堂」の三代目経営者として、日本の伝統を守り続けています。名物の餅や饅頭をはじめ様々な和菓子を取り揃えており、近年は、米国人にも日本の食文化に親しんでもらうきっかけとして、伝統的な饅頭以外に、ピーナッツバターを中に詰めたストロベリー味の饅頭も考案され、新たな顧客層が生まれており、米国人に対する日本の食文化の紹介にも寄与されています。また、昭和64年より、在リトル・トーキョー・西本願寺のサマープログラム「西心道場」に通う年間約100人の小学生に対し、饅頭づくりを30年間指導され、また、リトル・トーキョーの日米文化会館等で行われている料理教室等の機会においても指導されるなど、日本と米国の和菓子作りを通じた相互理解促進に貢献されています。