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第22回 ポエム・タウン
<成人の部 入賞作品【川柳】テーマ「ミステリー」「ハッピーアワー」「自由」>
半田俊夫選 病気して薬より効く子の孝行 黄雪英
佳作 青い目も太鼓大好き二世祭 フミコ・ロペス
佳作 孫の謎知らぬ振りする難しさ 石口玲
佳作 ブスの良さ老いても変化目立たない 本めぐみ
日刊サン選 モナリサは妖しく笑んで謎かける フミコ・ロペス
TJSラジオ選 達筆のへのへのもへじ男前 内アリス
選者のことば
―選者・半田俊夫
今回も活発な投稿が嬉しく、その結果選びたい作が多く選考は難儀でした。川柳は生活の歌、人生の詩。作句で人間観察眼が鋭くなり唄心が磨かれ頭脳活性化しますよ。どんどん作りましょう。
「病気して―」。親心ってこれだなと実感させる微笑ましく温かい味の句。言葉の流れも好調。薬以上の効き目を子も分かると励みと幸せしみじみ。親子の絆が深まりますね。
「青い目も―」。よく見る光景。太鼓の音は日本人の身体の奥までズーンと響き郷愁を呼び起こしますが、米国人も好きな人多いですね。つまり日本的で且つ人類普遍的な音なのでしょう。
「孫の謎―」。孫の期待と楽しみを壊さない様に謎々に難しいなーと分からない振りするお爺(婆)ちゃん。お孫さん素直に成長しますよ。上手いこと演技して下さいね。
「ブスの良さ―」。上手い上手い。客観、冷静の眼と達観と言うか度量の広さも感じますな。男の顔は大体無難で済むのに女性は大変だなと思ったら老後にこういう公平さ?もあるのですなー。
―選者・日刊サン
ユーモアに溢れる川柳に、自然と笑みがこぼれながら選出しました。
「モナリザの―」。ご存知の通りモナリザは、レオナル・ド・ダヴィンチが描いた様々なミステリーをもつ油彩画です。それに加えて世間様が有難がるこの画に対する作者の素直なミステリーがダブルミーニングで詠まれている魅力的な一句です。
他にも「八十三―」など明るく元気をもらう川柳がありました。
―選者・TJSラジオ
川柳はピリッと風刺が効いているとより効果的ですが、米国に暮らす方々の川柳ならではの作品として、今後の時事ネタにも期待します。
落語家の故桂枝雀さんが、笑いに関して「緊張の緩和理論」を唱えられましたが、この一句も、相反するものが存在することで相乗効果を発揮し、笑いとも風刺ともとれる絶妙なバランスになっていますね。川柳は社会や人を風刺するものと考えると奥が深い一句かも。