日刊サンクラシファイド

ロサンゼルスの求人、クラシファイド、地元情報など

日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

特集記事



JANMへ行こう!! vol.7 - 日系アメリカ人について、もっと知ろう!
今月のガイド
セドリック・シモさん

94歳の日系二世。第二次世界大戦中、工兵第1800大隊配属。1975年にホンダ・インターナショナル・トレーディング社副社長に就任。仕事の傍ら、米兵として戦争で戦った日系人の権利回復に積極的に取り組む。「日本バッシング」の日米貿易摩擦が問題となった時期に、日本をよく理解するアメリカ人として、日系企業の保護のため講演活動を行う。この功績を称えて、2008年日本政府は旭日双光章を授与。




―第二次世界大戦が終わり工兵第1800大隊を除隊されてから、どうされたんですか?

 「戦後の1946年、僕は工兵第1800大隊を名誉除隊した。軍を辞めるのには3種類あったんだ。名誉除隊、非名誉除隊、そしてその中間の名誉無き除隊。普通に任務を行っていたら、名誉除隊ができて、米国政府から福利厚生を受けることができるんだ。
 残念なことに、その時の多くの日系人が、非名誉除隊とされてしまった。除隊の時に面接があったんだ。日本語の訛があると、担当者が日本と関係があると勝手に判断したんだ。英語が上手でなかったということが理由だなんて、とても理不尽だよね。
 僕はこの不当な扱いに違和感を持って、優秀な人権家のハイマン・ブラビンさんと一緒に、非名誉除隊とされた日系人が名誉・人権回復を取り戻すための運動に取り組んだんだ」


―その運動が美を結んで、のちに非名誉除隊にされた日系人の方たちは名誉を回復できました。このようなシモさんの気質は、どこから来たんですか?

 「僕の父は剣道の先生で、母  は日本語の先生だった。僕はとても伝統的な日本人家庭で育ったんだ。幼い頃から、いつも日本と米国、両方の社会を見てきた。
 高校生の頃は、日米の友好に貢献したい、そういう仕事に就きたいと夢見てたね。もっと日本のことを知りたいと思って、1941年に現在の慶應義塾大学へ入学する手続きをしていたんだけど、入学直前に真珠湾攻撃が起きて、僕の最初の大望は破れたよ。
 除隊後すぐに就いた仕事は通関業だった。日米貿易の流れを現場で学んだね。ホンダに入社した後、日米間に貿易摩擦が起きて、米国内で対日感情が悪化したんだ。“ジャパンバッシング”だね。
 僕はいつもアメリカ人は、ちゃんと説明をすれば『なるほど』と分かってくれるフェアーな人種だと思っている。だから話さなくてはならない、そして話すのは僕の仕事だと思ったんだ。
 だから、いろんな所でセミナーを開いて、メディアを通してアメリカ人に理解してもらおうと頑張った。何事も両側の情報を知る、というのが僕の人生哲学。これからも、日系移民の歴史を忠誠な立場で真実を伝えていきたいね」


―日本とアメリカの両方の特徴を体感してきたシモさんだからこそ、成せた偉業ですね。日系人って、日本人にとって一番近いアメリカ人な感じがしてきました。



もっと知ってJapanese American!

Kiki Sukezane 日本で演技を学び、昨年夏に渡米。ハリウッドで歌や演技を勉強中。来年は子供むけのドラマが二本決定。好きな言葉は「ありがとう」。もっともっと自分を磨いて輝いていきたいと語る。
アメリカで暮らしていると、会話の中で「あなたは何系ですか?」と、質問されることがある。先祖はアイルランドから来て炭鉱夫だった、ポーランドからのユダヤ系で家具店を経営していたなど。
 アメリカは世界一の多民族国家、さまざまな人種がいろいろな理由で移民してきている。では、日本を母国に持つ日系アメリカ人はどうなんだろうか?
 彼らの先祖の日本人はどんな人達で、どんな理由で、アメリカへ移民したのか?意外にも、多くのアメリカ在住の日本人が「知らない」と答える。
 ハリウッドを目指して日本から海を渡ってきた留学生のシンとキキ。今回から、日系アメリカ人についていろいろなテーマを通じて学んでいく。
 さて、二人は日系人を知っているのかな?
シン「役者仲間に日系人達は結構いるんで、彼らのことは多少知ってるつもり!?」
キキ「同じ日本にルーツがある人達のことならめちゃくちゃ興味あります!」



清水紳一郎(シン)2006年、俳優を目指し渡米。多数のTV、インディーズ映画に出演。出演作品はカンヌ映画祭でも上映される。好きな言葉は「チャンスはピンチ」。舞台や映画にとさらなる活躍の場を求め続ける。
日系人とは、日本以外の国に移住し当該国の国籍または永住権を取得した日本人、およびその子孫のこと。2010年の国勢調査によると,アメリカに住む純血の日系人は76万3325人、ハーフと混血を合わせると 130万4286人。カリフォルニア州では27万2528人(ハーフ、混血含む)で、北米で最も日系人が多い州。
 日系移民史は、1868年、「元年者(がんねんもの)」と呼ばれる約150人の日本人がハワイへ渡ったことに始まる。1924年に日本人移民が規制されるまで、多くの日本人が海を渡った。彼らのほとんどが「出稼ぎ」で、今日のアメリカに住む日系人のほとんどがこの子孫達だ。移民が多かった県は、広島、山口、和歌山、熊本、沖縄など西日本が中心。
 日系人には世代別に呼び方がある。最初に日本からアメリカへ来た世代を一世、その子供達を二世、三世、四世と呼ぶ。二世の中でも日本で教育を受けた後、アメリカに帰国した者を「帰米(kibei)二世」と呼ぶ。彼らは、家族の事情や親達(一世)が子供に日本の教育を受けさせたため日本へ行った。
 第二次世界大戦後、アメリカに移住した日本人は新一世で、仕事・結婚・留学・商業などを目的としてアメリカへやってきた世代。日本生まれであることから新しい世代の一世「新一世」と呼ばれる。

パット・モリタ
シン「子供の頃見た『ベストキッド』っていう映画で、パット・モリタさんが出てたけど、日系アメリカ人の二世だったんだね」
キキ「オノ・ヨーコさんは、ジョン・レノンのパートナー!新一世なんだぁ」
 新一世の子供、新二世は、現地の日本語学校へ進み、インターネット、マンガやアニメといったメディアに親しみ、日本と同じ感性で育つ。両親が日本生まれの日本人であるため、「日本人」であるという意識は強い。




オノ・ヨーコ
 言語は、一世は日本からやってきたため日本語が主体。二世と帰米二世はアメリカ生まれで、日本語と英語を話す。三世以後の世代はほとんど英語が主体だ。





JANMに行くと日刊サン読者にプレゼント!

 入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、先着50名にNITTO TIRE特製バッグを、読者来館者に日系移民史ドキュメンタリー「知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人」のDVDをプレゼント。
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。





JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
 日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。

100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)

★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645


写真・文 ALICE HAMA, 写真 TOMO KAWATE, TOSHIMASA TOMIYAMA, 文・構成 JUNZO ARAI, TOMOMI KANEMARU, 監修 MITSUE WATANABE (JANM MANAGER, JAPAN MARKETING & PR)

2013/06/01 掲載

Facebook   Twieet


[ 人気の記事 ]

フレッド 和田 - 東京五輪を実現させた日系アメリカ人

フジタ・スコット - アメリカの大和魂 

日系社会のフロンティアを尋ねる vol.4 - アイリーン・ヒラノ・イノウエ 米日カウンシル会長

JANMへ行こう!! vol.7 - 日系アメリカ人について、もっと知ろう!

JANMへ行こう!! vol.20 - 展示物にも書かれていないガイドの秘話が魅力

JANMへ行こう!! vol.29 - 忠誠登録27番と28番の答えと背景を聞く

JANMへ行こう!! vol.16 - 子供は日系人強制収容をどう見ていたのか?

JANMへ行こう!! vol.3 - 人種のるつぼLAだから人種について学びたい!

JANMへ行こう!! vol.30 - 日系アメリカ人の“帰米二世”について学ぶ

JANMへ行こう!! vol.15 - 差別・不当な扱いを乗り越えた日系人の話を聞く



最新のクラシファイド 定期購読
JFC International Inc Cosmos Grace 新撰組11月d Parexel pspinc ロサンゼルスのWEB制作(デザイン/開発/SEO)はSOTO-MEDIA 撃退コロナ音頭 サボテンブラザーズ 





ページトップへ