JANMへ行こう!! vol.10 - グローバル社会で生きるヒントを学ぼう
今月のガイド
アメリカ陸軍出身。カリフォルニア州ロサンゼルス市役所にて36年間勤務し、リタイア後、JANMにてボランティアを開始。今年でボランティア19年目。
―ネイハンさんは、JANMでボランティアを始めてから、今年で19年目と聞きました。JANMには、長年にわたってボランティアをされている方が多くて、とても驚いています。
ネイハンさんはドイツ系移民の家系だそうですが、なぜ日系移民史の博物館、JANMでボランティア・ガイドを始めたんですか?
「僕は、ニューヨーク生まれの“ハクジン”。小学校の頃にロサンゼルスに引っ越してきた。その頃から70年来の大親友が日系アメリカンなんだよ。彼から強制収容所のことを聞いて、長い間ずっと頭のどこかで気になっていた。
僕がロサンゼルス市役所の仕事をリタイヤしようと決めた時、その友人夫妻と一緒にリトル東京で食事をした。その時、彼が、『僕は君に日系移民の歴史を語ってきたけれど、JANMに行ったことはある?』と聞いてきた。食事の後、JANMに行って、『こんな博物館があったなんて』と感銘を受けた。
それで、早速、その週末に開催された日系兵士を題材としたレクチャーに足を運び、翌週には、ボランティア登録をしたんだ。魅力というと御幣があるかもしれないけれど、自分のやりがいを見つけた気がしたんだよ」
―JANMは、日系アメリカ 人だけでの博物館ではなくて、人種とか全く関係なく語りかけるものがある博物館なんですね。
ドイツ系と日系の移民史に、共通するエピソードはありますか。
「共通というよりは、むしろ“異なること”が僕の興味をそそるんだ。この前、日系移民の話を、アイルランド系の友人に話したんだ。そうしたら、『僕たちの両親だって、偏見やさまざまな苦労をしてるじゃないか』と彼は言った。
僕は、ここぞとばかりに力説したんだ。歴史の中で、白人の多くは強制収容所に入らなかった。なぜなら、アメリカにブレンドインできたからだ。けれど、日系移民は、敵国の国民に“似ている”という理由だけで、何も悪いことをしていないのに、多くの権利を奪われ、政府が制定した理不尽な法律に苦しめられた。
もし、僕たち白人が同じことされたら、激しく反発して、とっくに牢屋に入れられて、この世に存在していないだろう。だけれど、日系移民は、アメリカへの従順な姿勢を変えず、忍耐をもって大変な時期を乗り越えた。
その精神は、良い意味でミステリアスで、僕は非常に尊敬しているってね」
―日系移民史から、異人種間の相互理解など現在のグローバル社会で必要なことがらをたくさん学ぶことができます。
もっと知ってJapanese American!
「日本人・日系人についての意識調査!」
育った文化や習慣が違うとはいえ、同じ日本人の血を受け継ぐ日系アメリカ人について、アメリカで暮らす日本人はどう感じているのか?
日刊サンでは、独自にアンケート調査を行ってみた。対象は、LA在住で日刊サンの日本人読者計34人(滞在歴1年未満~35年以上)が中心。

・YES:21人 ・NO:5人 ・無回答:3人
・どちらでもある:2人 ・よくわからない:3人
YESの理由は?
◆同じ日本をルーツを持つ者として、どのような考え方をしているか気になります。(男性35歳、在米歴2年半)
◆東日本大地震が発生した時に気遣ってくれたことから、優しく、他の人を思いやる礼儀正しい人々であるというのが私の印象。彼らの文化、そして他者に対して礼儀正しくあることに、とても好感と興味が持てます。(女性29歳、在米歴25年)
◆おじいちゃんでも朝からホットドッグなどを食べるのを見て、日本のお年寄りと違うと思った。スパムむすびなど食生活が面白い。(男性28歳、在米歴4年)
◆他のアメリカの地方では、「アジア人」と言われていたのに、LAに来て「日本人」と言われるのはこっちに来て頑張った日系人のお陰だと思う。(女性48歳、在米歴14年)
この他に多かった回答:
◆日系人は日本人より日本人らしいところがあり、見習うところがある。
◆震災支援をきっかけに、日系人の礼儀正しい、思いやりといった日本人が持つ美徳を感じた。
明治に海をわたった一世の価値観を受け継いだ子孫達に、日本人は古き良き日本人の姿を見ているのか。
NOと答えた人々の理由は?
◆小さなコミュニティーで足を引っ張りあうという印象があり、せっかくアメリカにいるのだからアメリカ社会について知りたい。(男性44歳、在米歴4年)
◆生まれた環境や価値観などが全然違うと思うので、接点がないように感じたりします。 (女性37歳、滞在歴8年)
NOと答えた人々は、普段からあまり日系人と接する機会のない人々で、言葉の壁を感じている人もいた。中には、「YESともNOともいえない」という回答もあり、その理由として「日系人と日本人を分けて考えるのはおかしい」だった。
では、日系人は日本人をどう思っているのか?
少人数ながら、LA在住の日系3世~5世10人にアンケートを行った。

YESが8人、NOが2人。
YESの理由は、「日本人は礼儀正しい、勤勉、賢い」がもっとも多く、「日本に古くからある伝統文化を尊重している」という回答もあった。NOの理由は、「お互いに接する機会がない」だった。
今回のアンケート調査から得られた情報によると、日本人と日系人ともに、暮らしの中で互いに接する機会が多いと、「礼儀」「勤勉」「思いやり」、または、「日本アニメ」といった何かしら日本人的な価値観を共有することで、親密さを感じている。
一方、接する機会がないと、おのずと相手への関心が薄れてしまう。また、日系人にとって「日本人への関心」は、「文化」そのものであることもわかった。

入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、先着50名にNITTO TIRE特製バッグを、読者来館者に日系移民史ドキュメンタリー「知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人」のDVDをプレゼント。
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。
JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。
100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)
★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645
写真・文 ALICE HAMA, 写真 TOMO KAWATE, 文・構成 JUNZO ARAI, TOMOMI KANEMARU, 監修 MITSUE WATANABE (JANM MANAGER, JAPAN MARKETING & PR)
2013/07/13 掲載

