JANMへ行こう!! vol.12 - アメリカに住む日本人にとって日系史ははずせない
今月のガイド
東京都 生まれ。1970年代後半に渡米。カリフォルニア州立大学サンホゼ校でアジアン・アメリカン・スタディ メディアのクラスを取り、初めて日系移民史に触れる。日本の大手広告代理店のロサンゼルスオフィスにて勤務、約2年前からJANMのボランティア・ガイドを始める。日本語と英語でガイドをする新一世。日曜日のガイド担当。
—馬上さんは、どのように日系移民史を知ったのですか。
「1978年くらいに、州立大学でアジアン・アメリカン・スタディのクラスで、『フェアウエル・トゥ・マンザナ』という日系アメリカ人が強制収容所に入っている時の映画を初めて観ました。
僕の日系人の友達が、日本語をしゃべらなかったんです。中国人とか韓国人は自分たちの言葉をしゃべるのに、日系人だけが日本語をしゃべらない。なぜなんだろうと思った。せっかくご両親が日本語を話すのに、不思議でした。
だけど、その映画を観た時に、『彼らはアメリカ人になるために、わざと日本語を喋らなかった』ということに気づいたんです。
—JANMでボランティアを始めたきっかけを教えてください。
「JANMでボランティアされていた山田さんから、『日本語を話すガイドが足りないからやってみない?』って言われました。JANMに何度か来たこともあり、やはり我々が日本人としてアメリカに住んで生活していく上で、日系史ははずせない。知っておかないといけないことだと思います。
日系人はアメリカにやってきて、差別とかに立ち向かいながら自分たちのコミュニティーを作ってきた。なのに第二次世界大戦が始まって、強制収容所に入れられ、3年後に出てきたら、一からやり直した。本当に血と汗と涙を流して、アメリカでの日系人の基盤を作ってくれました。だから、今こうやって我々はアメリカに留学や旅行ができるんです。
例えば大手の企業がアメリカに来てビジネスできたり、スムーズにできるのも、日系人の一世二世の努力のおかげじゃないかなと思う。それを一人でも多くの人に伝えたいと思ったので始めました」
—今日の状態が当たり前だと思ってはいけないですね。“今日”を築いてくださった多くの方々を忘れてはならないです。ガイドになるためには、トレーニングが必要ですか。
「3日間、歴史のクラスを取ったら他のガイドに20時間付いて学びます。他にも安全基準とか入館者との接し方など学びます」
—JANMでボランティア・ガイドをされて、いかがですか。
「日系2世、3世のボランティアの方と交流をすることで、新一世としての自己認識が深まり、これからの日系社会への貢献に、ますます興味が沸いてきました」
—ボランティア活動は、普段は接点がない日系人の方々と交流ができて、世界を広げる機会ですね。
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もっと知ってJapanese American!
「二世ウィーク祭り開催地、リトル東京散策②」
ハリウッドを目指して渡米してきたキキとシン。ロサンゼルスで暮らす中で、同じ「日本」という祖国を持つ日系アメリカ人達に興味を持つようになった二人が、今回も、日系人の街「リトル東京」を散策する。

足元をよく見ると、ビジネスの歴史を記す刻印がされている。1910年日本ホテル、1914年サトウ書店、1925年イセリ薬局など。驚くことに未だにこのファーストストリートで営業する店があった。「風月堂」だ。1903年の開業以来、親子3代にわたり、和菓子を作り続ける専門店だ。大福、どら焼き、草もち、水羊羹、などがショーケースに並び、思わず微笑んでしまう。この風月堂、今年も、二世ウィーク期間中は忙しくなりそうだ。特に8月11日の二世ウィーク祭りのメインイベント、グランドパレードでは路上は見物客でいっぱいになるそうだ。

しかし、二世ウィークも第二次大戦に入ると、開催中止を余儀なくされる。西海岸地域に住む日系人たちは不当にもアメリカ政府より「敵国人」と見なされ、強制収容所へ送られてしまった。あっという間に廃墟と化してしまったリトル東京。戦争が終わり、二世ウィークが再開されたのが1949年。街はゼロからの再出発となった。
リトル東京は、日系アメリカ人の歴史を反映する街だ。ファーストストリート沿いには、「先祖」と題される壁画があり、日系一世たちの、苦労と努力を物語るが、この壁画を眺めるシンから突然、意外な一言が。

「えーーーーっ!?」スタッフ一同でびっくり!!
明かされた事実に驚かされつつ、そのいきさつを尋ねてみるも、シンの祖母の戸籍は日本に移っており、詳しいことはわからないそうだ。うーむ残念、彼らの足取りを示す何らかの手がかりがあれば良いのだが…。
おもむろに壁画に思いを馳せるシン。「自分の祖母が歩いた道を、今、自分が歩いているということに感慨深いモノがある。過去の日系移民の歴史を知れば尚更のこと。先祖の努力に感謝しないといけないかも」
写真 TOMO KAWATE, 文・構成 JUNZO ARAI, TOMOMI KANEMARU, SHOTO ONISHI, TOMOYO EITOKU, 監修 MITSUE WATANABE(JANM)

入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、先着50名にNITTO TIRE特製バッグを、読者来館者に日系移民史ドキュメンタリー「知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人」のDVDをプレゼント。
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。
JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。
100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)
★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645
2012年度二世ウィーククイーン
エミリー・ミチ・イイジマ・フォリックス
2012年度二世ウィーククイーンのエミリーさんに、インタビューした。

「若い人達がコミュニティーにより関わることを奨励する」というのが私のゴールですが、“達成できた”と願います。私たちの両親や祖父母たちが休めるように、私たちの世代がボランティアをしたり、指導的地位を担っていくことを始めることが非常に重要です。 このために 一人でも鼓舞することができたなら、私は幸せです。」
—エミリーさんは、日系史を学ぶのは重要だとお考えですが、その理由は?
「私たちの祖先が犠牲にした全てのことに、そして祖先がどれほど多くの困難に耐えたかに感謝することができるからです。私たちは、今持っている全ての自由が当然ではないことを学ばなければなりません。また、過去の過ちから学ぶこともできます。日系コミュニティーは、過去、逆境にあったので、今それを通過している他のコミュニティーに共感し、支援することができます。」
—JANMやJANMの使命について、どのようにお考えですか?
JANMの使命は、 "日系アメリカ人の経験を共有することによりアメリカの民族と文化の多様性の理解と感謝を促進すること"です。アメリカは多くの異なる文化や民族のるつぼです。全ての生命が一つの社会で一緒に暮らすために、互いに理解し合うことが大切です。JANMが、私たち自身の歴史について日系人に教えることに努め、また、多様なバックグラウンドの人々と共有していることに感謝しています。
—JANM訪問を、みなさんに勧めますか?
みなさん、JANMを訪問すべきだと私は思います!個人的には、日系人が強制収容所に住んでいた兵舎などの歴史的展示物と、今、展示されている「目立つ・目立たない 日系アメリカ人 ハパの歴史」とのコントラストを見れるのが興味深いと感じます。日系人文化が歴史を通じてどのように変化したかを見るのは面白いです。
—「第73回二世ウィーク祭り」が始まりました。日刊サン読者にメッセージを。
期間中は楽しいイベント盛りだくさんです!最大イベントの一つがパレードです。
2013/08/10 掲載

