今月の庭仕事
Lesson 45
2011-06-18
前回、葉面吸収のことについて書きましたが、あの中で、「バケツの上澄みをすくって、ハンドスプレータンクに入れて、葉の裏面にスプレーする」と書きましたが、上澄みという表現は適切ではなかったような気がします。
お料理番組で、煮込み料理中に「あく」をすくうシーンがありますが、これだと少ししか取れません。そうではなく、バケツの底のほうの沈殿物以外の無色透明の部分を使ってスプレーをしてみてください。
スプレーは全部の苗にするのではなく、ナスを3本植えてあるなら、その内の1本だけにスプレーするようにすれば、他の2本との違いが見えてくると思います。
正直なところ、葉面吸収がどれほど効果があるものなのかよく知りません。普通に肥やしを水に溶かして撒くことを薬に例えたならば、飲み薬で、葉面吸収は注射ということでしょうか。結果を日刊サンまで、はがき、電話、Eメールで知らせてください。楽しみにしています。
さて5月に入り、気温も上昇してきました。3月、4月と涼しい時は害虫も卵から成虫になるまでの時間が長いので、“人口”ならぬ“虫口”が低いため、被害もさほど目立ちません。しかし、もうそろそろ、オレンジ、タンジェリン、グレープフルーツなどの柑橘類の葉に被害が出始める頃です。皆さんの庭ではいかがでしょうか?
ペストサイドはスプレーしないと言う方には、虫のトラップ(捕獲器)をお勧めします。メスの匂いに、コロリと騙されてしまいます。あるカスタマーなどは、柑橘類の木全てに、捕獲器を下げていますが、「虫が寄ってきてほしくない木」に、「虫を呼び寄せる」捕獲器を下げるのは、間違っています。捕獲器は、他の種類の木のスプリンクラーの水のかからない、直射日光のあたらない枝に、下げるようにしてください。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。