今月の庭仕事
Lesson 61
2011-12-30
自分の庭の芝生の名前を言えますか?これが分かれば、自動的にどんな種類の芝刈り機を使うのか、季節によって違う刃の高さのセッティング、芝刈り回数、肥やしの種類、散水回数などなど、加えて雑草駆除剤(発芽防止剤も含む)の種類も分かりますので、芝生の管理が楽にできます。
なぜ芝生の成長が鈍っている(肥やしも効かない)今、こんな話を書くか?これには少し理由があります。
主作物である芝生が休眠期である場合、選別性のない殺草剤を使って芝生に害を及ぼすことなく、雑草のみを駆除することができる時期が、“今”だからです。もう少し分かりやすく例を挙げると、ゴルフをなさっている方は、すぐに頭に思い浮かべることができると思いますが、“グリーン(旗が立っている所の芝生、ティフグリーンまたはハイブリッドべミューダグラスと呼ばれている)”の芝生が、自分の庭の芝生と同種類の場合、緑を保とうとして高く刈っていた芝生は霜(フロスト)の影響で、真っ白というか真っ茶色になります。今年はまだそれほど寒くありませんが、こういう場合、芝生の中で緑を保っているのは雑草です。葉の形の違う雑草は、選別性のある殺草剤を使って、いつでも駆除することができます。霜によって芝生が真っ白になるのを待つ必要はありません。しかし、同じ形の雑草(冬に緑を保っている草)は、この状態でしか選別できません。
皆さんもよくご存知の“ランドアップ”と呼ばれているものは、選別性はまったくありませんが、芝生に緑(葉緑素)がない状態であれば、光合成もできないので、たとえ“ランドアップ”がかかったとしても、葉から侵入することができないので、芝生に害を及ぼすことは少ないでしょう。 「少ない」と書いたのは、表面上、葉は真っ白でも指で分けて中を見て茎に緑があると、そこから侵入する可能性を否定できないからです。スプレーをする時は、軽く雑草の緑の部分に付けばいいわけで、何も中に染み入っていくまでボタボタスプレーする必要はありません。この使い方はレベルには書いてないので、決してお勧めはしません。
もし、このような危険は犯したくなければ、毎年秋に、オーバーシードして冬の緑を保ってください。
このトピックが今年の最後となります。少しはお役に立っているでしょうか? それでは良いお年をお迎えください。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。