今月の庭仕事
Lesson 62
2012-01-23
明けましておめでとうございます。
今ころの仕事というと、落葉樹、落葉果樹、薔薇の剪定と休眠期スプレーでしょうか。これらは今月中にしてしまう必要があります。“春の準備”と考えてください。
剪定はちゃんとしておかないと、木が大きくなりすぎて枝が折れたり、枝が込み入って光線不足のために中枝が死んでしまったりします。茂りすぎると内側の環境が害虫や菌の生育に最適な環境になってしまい、木の生育に支障が生じて、花や実の収穫にまで影響が及びます。また、化学薬品スプレーだけで問題を解決しようとしても、茂りすぎている場合、薬品が内側まで浸透できないので効力があまりなく、すぐに同じ状態に戻ってしまいます。剪定をして透かせば、光線が内側まで届いて風通しもよくなり、ホコリも溜まりにくくなります。水や薬品スプレーも、内側まで充分に浸透して効力が最大限に発揮されるので、害虫や菌にとって最悪な環境を作り出せます。
休眠期スプレー(ドーマントスプレー)をする場合、まず最初に水を木の周りに撒いて地面を湿らします。ドーマントスプレーを全方向より、したたり落ちるほどスプレーします。樹皮に隙間がある場合はちゃんとその隙間にも入っていくようにスプレーしましょう。最後に湿らせた地面にもスプレーします。スプレーに用いる薬品ですが、コッパー(銅)だけでもいいのですが、私の場合、コッパーにライムサルファーか、サルファーとオイル(園芸用オイル、イヤーアラウンドオイル)を混ぜたものをスプレーします。
サルファー、ライムサルファー、コッパーは病気の菌を、園芸用オイルは害虫を駆除します。単体では駆除できる範囲が狭いので、混ぜることによって駆除範囲を広くできます。ライムサルファーを使用した場合、アプリコットにはスプレーできません。回数は剪定が終わってからと、春に芽が膨らみ始めたころの2回です。
さて、薔薇の葉めくって見てみましょう。本来、暗緑色であるべき葉の色が黄色とのまだらになっていたら、葉の裏側にオレンジや黒の菌がたくさん付いているはずです。この状態だとスプレーよりむしりとった方がいいでしょう。剪定だけして残った枝に葉をつけたままだと、菌が雨や風によって他の健康な葉にうつるので、くれぐれも剪定が終わった薔薇には葉を残さないようにしましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。