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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第157回 国際化って何でしょうか

2012-02-21

 日本古来の尺度(尺・寸)は使えません。国際基準に合いません。学校でも国際基準のメートル法を教えています。
 フランス人に、「坂本龍馬は六尺(一八二㌢)あまりの男」といっても、けげんな顔をされるだけはないでしょうか。
 尺度、ビジネスのやり方などを国際基準、世界の趨勢に合わせること。これを国際化と呼んでいます。

 習慣は保守的な基準です。摂氏で温度を体感してきた明治以降の日本人。「華氏九○度」などといわれても容易に対応できません。
 なかに、「華氏九○度は摂氏三二度」と即応する同胞がいると、もう尊敬してしまいます。

 ある日、身元を証明してもらおうと外務省の出先、総領事館を訪ねます。関係書類を渡されます。年月日を元号(平成)で書くよう求められます。
 「なんで平成?」と疑問に思うのは私だけでしょうか。
 国際舞台に生きる日本人に、日本の尺度を強いる。おかしくはありませんか。国際化に逆行していませんか。
 国際化先導役の外務省が、日本でしか通用しない元号を強いるのは変ではありませんか。
 それとも「日本を離れているからこそ、平成でものを考えろ」というのでしょうか。
 平成天皇を連想させる平成年度を意識させ、「平成日本人として生きろ」とでもいうのでしょうか。
 年月日の記載は国際基準の西暦だけでよいのではないでしょうか。
 是が非でも平成を使いたいなら、西暦の下にカッコ書きで入れたらいかがでしょうか。

 大学の国際化。春入学の東大が秋入学に向け検討を始めました。世界の大学の七割以上が秋入学。だから、世界に合わせようというのです。
 春合格から秋入学までの六ヵ月は海外短期留学や社会活動に充て、偏差値一辺倒のものの見方をリセットします。秋入学になれば外国人の日本留学も容易になることでしょう。
 外務省の対応、東大の対応。日本人の国際化対応は日本の今を象徴しているといえないでしょうか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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