今月の庭仕事
Lesson 66
2012-03-24
たしか、去年も同じようなことを書いた気がしますが、リマインダーと思って読んでください。
雨のシーズンも終わり、植物が生長を始める時期となりましたが、雑草も発芽し始めます。発芽防止剤とは、雑草の種が新しい栄養補給の手段(芽を伸ばして地表に出て葉を作り、光合成を利用してエネルギーを作り出すこと)を阻止する薬品です。種が内部に保有する栄養だけで生存できる時間はきわめて短いです。葉を作れない場合、根も充分な発育ができない間に、保有する養分を使い切って死滅してしまいます。結果として、雑草が生えてこないということになります。
発芽防止剤は、雑草が葉を作ってしまったら効きません。今が最後のチャンスです。強くお勧めします。しかし、雑草の種の方もバカではありません。みな、同じ時期に発芽してしまうと、干ばつや発芽防止剤の散布などの“環境の変化”に対応できずに、全滅(種の絶滅)してしまうので時期を少しづつずらして発芽します。3月に発芽防止剤を散布して、その効力が4ヶ月とするとします。6月に2回目の散布をしないと、7月に入ると夏の雑草のクラブグラスやスパージが大量発芽してしまいます。これでは、1回目の散布が無駄になってしまいます。
寒くなれば自然となくなるだろうと、たかをくくっていると、夏の間中、光を遮られた芝生のほうも死んでしまいます。秋になり、気温の低下と共に、夏の雑草が茶色に変色し始め、見るも無残な風景となってしまうのです。2回目の散布を忘れにないようにしてください。
今月から気温の上昇と共に心配しないといけないのが、ミルデュー(白カビ)です。ローズの新しい葉(赤い葉)に、白いものが見える前に、新しく生えてきた葉に殺菌剤を、スプレー(添着剤を混ぜるのを忘れないでください)しましょう。スプレーが面倒くさい方には、水に溶かして、直接、茎の周りに播くタイプもありますので、使いやすい方を選んでください。 この場合、食用の植物(フルーツツリーや野菜)のルーツゾーンに入っていないこと、水を撒いたときに入っていかないことを確認して使用しましょう。
さて、前回、収穫が終わったフルーツツリーに、お礼肥をするように書きましたが、あげたでしょうか?これは次の収穫に対しての準備の第1ステップと思ってください。今の時期に収穫が終わるのは、柑橘類ですが、第2ステップ以降は次回ということで。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。