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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第165回 ありがとう・フロム・ジャパン

2012-03-27

 天をつく波濤。東北大震災(M九・○)の津波の遡上高は三八・九㍍、八階建てビルに相当する高さです。
 千年に一度の大震災。大津波は家々をなぎ倒し、二万の老若男女をごっそり死界に連れ去りました・・。

 一九五八年七月、史上最大の津波がリソヤ湾(アラスカ)で発生。大地震(M七・七)でもないのに、津波の遡上高はなんと五二四㍍。
 崩落したフィヨルドの大氷塊と土砂が波濤に波濤を重ねて、対岸に轟々と押し寄せました。
 東北津波の一三・五倍、東京タワー(三三二㍍)と新宿住友ビル(二一○㍍)を足した水壁の高さ。
 リソヤ湾の過疎化が幸いしたのか、犠牲者は数えるほど。しかし一方、集落を襲う大津波は一転して、非情の斧を振るうのが常。
 二○○四年十二月のスマトラ島沖地震(M九・一)では、大津波が牙を剥き、沿岸一帯を襲い、三十五万の人命を奪いました。
 圧倒的な水量にのまれていく人、人、人。助けを求める声は波の藻屑と消え、うごめくものは断末魔の地獄図ばかり。

 東北・犠牲者の鎮魂に、総領事館と国際交流基金が「ありがとう・フロム・ジャパン」の集いを催しました。
 集いのテーマは津波、悲劇、希望そして感謝。岩手・遠野の「涌水神楽」、和太鼓の「鬼太鼓座」、和洋楽のソリストたち。
 司会は国際交流基金LAセンターの伊藤実佐子所長。こなれた英話のスピーチ、某誌編集長を務めたという経歴の持ち主。
 着任(単身)早々、日米の催しに追われる新美潤総領事。
 外交は駐米大使の仕事、担当地域とよい関係を創るのが総領事の務め。「米国の支えに感動した。ありがとう」と挨拶していました。
★ ★
 医薬品を被災地に運ぶのに欠かせない空の便。非常事態にガソリン不足を理由に動こうとしない航空自衛隊。
 頼りになるのは米軍のほう。ハーバード大学派遣の有井麻矢医師の頼みに即、「出動」を決めたよし。
 米軍のみなさん、「ありがとう」。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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