今月の庭仕事
Lesson 71
2012-06-23
昨年の11月にドーマントスプレーのセットを販売しましたが、効果の程は、いかがなものでしょうか?葉が落ちて(落葉)、剪定を済ませてから、1回目のスプレー、芽が蕾の中に(2月か3月)2回目のスプレーをされた方は、去年の春と比べて、病状が改善していることと思います。
「ピーチの葉がこんなになってしまってるんです」と、サンプルをお持ちになってくれた方のピーチの葉が今年は青々と茂っているでしょう。しかし油断禁物です。何事も100%を望むのは無理な話で、病気の兆候が見られたなら、すぐにスプレーしてください。
ご購入いただいたセットの中のサルファーは、高温期には使えないのでスプレーしないように。
気になるのが、幹や枝から樹液が押し出されてくる病気です。南加庭園業連盟の教育セミナーで、先生が「理由は2通り考えられる。一つは水のやりすぎで、木が過剰な水分をを外に排出している。もう一つは害虫による被害である」と話しました。
水の撒きすぎについては、スプリンクラーを毎日、長時間出して木の周りが水浸しになってしまう、または、木の周りのスプリンクラーが完全に止まらなくていつも湿ってしまう。このような状態が長く続けば、水の撒きすぎを疑ってもよいかと思います。これらが原因の場合、処置は簡単です。水を止めればいいのです。
一方、害虫が原因の場合はやっかいです。相手は木の中に潜伏してますから、普通のコンタクトタイプ(接触が必要)の殺虫剤は、効きません。
そこで、どうするか?樹液に殺虫剤を浸透させて、それを害虫が食べて死ぬという“システミックタイプ”を使う必要があります。ドリルで幹に穴を開け、スティック状の殺虫剤を打ち込むタイプ、地面のルーツゾーンに液体状の殺虫剤を散布するタイプと、いろいろあります。
対象となる木がオナメンタルかフルーツかで、使用できる殺虫剤が違ってきます。付属の説明書でよく確認しましょう。
しかし、まだ問題があります。害虫が侵入しているのが木の表皮の部分なら、浸透した殺虫剤を食べて死んでくれますが、表皮の下のウッドの場合は効果が期待できません。表皮も食べてくれることを願うのみです。木の枝で起きた場合は、切り取った方がいいでしょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。