今月の庭仕事
Lesson 73
2012-08-02
暑いですね。暑いからといって、自分だけ冷房の部屋にいて、プラントをほったらかしていませんか?ポットのプラントは特に気をつけましょう。葉がしおれ始めた頃に気づけいて水をやれば、まだ生き返ってくれますが、葉が完全に茶色になったら、取り返しがつかないことが多いです。
葉から水分はどんどん蒸発しているのに、生存していくため(成長ではありません)のエネルギーを生産するために必要な水分が下から上がってこなければ、水を吸収するためのエネルギーもなくなり、いくら水をやっても、まったく効果がなく枯れてしまいます。プラントは口が利けないので、形や色で助けを求めてきます。気づいてあげましょう。
水不足に気づいたら、どうしますか? 水をまいて、それで終わりですか?それだけだと再び同じ過ちを繰り返してしまう可能性が大きいので、どうしたら乾きにくくなるか、考えてみましょう。
カスタマーのバックヤードに、ウィスキーの樽を半分に切ったポットにレモンとタンジェリンが植えてありました。場所は、芝生のスプリンクラーを開けた時に、水がかかる所でした。私に言わせれば、喉が渇いて水が飲みたくて飲みたくてしょうがないのにシャワーだけ!って、感じな場所です。もちろんフルサンロケーションです。
ポットの土(ポッティングソイル)も乾くのが早いので、刈った芝をポットの中に敷き詰めました。もちろん、敷き詰める前と後には、水をガーデンホースでたっぷりやりました。敷き詰める芝の厚さですが、1インチぐらいで十分です。注意すべき点は、幹に芝が厚くつかないようにしてください。プラントが水不足で“青息吐息”の時には肥やしはやらないでください。水不足が解消し、プラントが健康をとりもどしたら、今度は有機物で、土を元気にしましょう。
それからが、化学肥料の出番です。化学肥料はほとんどが即効性なので、目に見えてプラントが成長します。しかし、注意しなければならない点があります。ポットに植えられているプラントに対しての肥料過多は根を痛めますので、使用量は指示書に書かれている通りにしましょう。付け加えて言わせてもらえるならば、有機物も使用量を守ってください。皆さんもご存知のピートモスは、水を良く吸い込むことができるので、これを混ぜれば保湿性が増し、水の節約になると宣伝されてます。しかし、ピートモスは酸性が強いので、多すぎると土が酸性に偏ってしまいます。くれぐれも、使用量には気をつけてください。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。