後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第196回 アルメニア人、日本人、韓国人
2012-11-06
ノアの箱舟が流れ着いたとされるアララト山。
この聖山に似た美山を持つグレンデールに、アルメニア移民八万人が集結、市人口一九・五万の四一%、全米一のアルメニア人居住区を形成しています。
アルメニア系が多数派の同市議会はこの夏、七月三十日を『韓国慰安婦の日』と定め、「旧日本軍慰安婦は日本政府に強制された売春」と天下に公布しました。
韓国系移民の働きかけに呼応したもので、日系(ごく少数)の意見は聴取されませんでした。
アルメニア系キリスト教徒が大挙、米国を目指したのは一九七○年ごろで、二○一○年現在で約四五・五万人が入国、米国籍を取っています。
アルメニア人は「一九一五年から一七年にかけトルコ領内で同胞百五十万がイスラムトルコに殺された」と恨んでいます。
トルコ側は「反トルコ戦に参戦した一般人約二十万人が戦死したもので、虐殺に当たらない」と反発しています。
テニスのアンドレ・アガシ、安楽死を唱えたジャック・ケボキアン博士らはアルメニア系で、移民の多くは反トルコ戦争で親を亡くした孤児の子供といわれています。
彼らは天賦の商売人で、華僑三人にインド人一人、インド人三人にユダヤ人一人、ユダヤ人三人にアルメニア人一人と称されるほど。
「タフな商魂と信仰的恨みの積み重ねが、トルコ人をアルメニア人大殺戮に駆り立てた」とみる学者もいます。
異人種異民族の米国はハイフネーションともよばれています。 ハイフンは二語を結びつける符号で、日系米人というときの「系」の部分。
アジア人一色の日本と違い、米国民とはハイフン付き移民のことで、出身国の文化、宗教などを背負っています。
先発移民はヨーロッパ系で、少数派先住民を殺し土地を奪い、鉄鉱石や油田を押さえました。
民主主義の名の下、多数派による少数派潰しの伝統は『韓国慰安婦の日』を強行したグレンデールにも生きています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。