今月の庭仕事
Lesson74
2012-11-14
涼しい気温に適した芝生、私がこれまでに幾度が書いてきた“クールシーズンローン”は、大丈夫でしょうか?強烈な日光によって、強制的に成長させられているため、クタクタに疲れ果てているはずです。
この時期一番してはいけないことは、なんでしょうか?芝生を低く刈ってしまうことと、肥料のやりすぎです。この二つの行為は、芝生を自殺に追い込むようなものです。低く刈ると地面が乾きやすくなって、病気が発生しやすくなります。分かりやすく言えば、健康を保つための水分の補給がうまくいかないため、病気に対する抵抗力が低下すると考えてください。
現在、“クールシーズンローン”といえば、南カリフォルニアでは、マラソングラス(ターフタイプトールフェスキュウグラス)が主流ですが、一昔前は,ケンタッキィーブルーグラスが主流でした。この芝生は、高温、乾燥に非常に敏感な種類だったので、管理には細心の注意が必要でした。マラソングラスはケンタッキィーブルーグラスに比べて根が幅広く、深くなり、水不足に対して抵抗力が増したぶん管理が格段に楽になりました。 それでもやはり“クールシーズンローン”なので、夏季の短期間に急激な成長を促がすような肥料は避けた方が賢明です。オシッコをした所の芝生が、他の部分より濃緑色になり、高くなり、その後は円形に枯れてしまうのをご覧になった方も多いと思います。それと同じで、即効性の高窒素肥料を高温期に“クールシーズンローン”に施すのは良くありません。もちろん、窒素は水による流失が早いので、芝生の緑を保つために肥料は必要です。
ではどうしたらいいのでしょうか?“クールシーズンローン”に対しては、暖効性の肥料がより効果的です。水をあげた時にだけ、少しづつ窒素を放出するため、肥料がより長もちします。これはあくまでも“クールシーズンローン”に対する話で、“サマーシーズンローン”には、今が生育期ですから、即効性の高窒素肥料を蒔いてください。
さて、芝生以外にも目を向けてみると、助けを必要としているプラントがいっぱいです。キャメリア、アゼリア,アジサイ、フィーシャ、シトラスなどの弱酸性環境で生育旺盛なるプラントへのキャメリア-アゼリアミックスによるマルチの勧めです。予算不足の場合はグラスクリッピングスで代用してください。山にしないで、必ず平らになるようにまいてください。乾燥させてから土と混ぜましょう。芝だけではなく落ち葉も利用しましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

