今月の庭仕事
Lesson75
2012-11-14
南カリフォルニアは砂漠気候ですが、現在、植えられているプラントは、地中海式気候用のものがほとんどだと思います。もし、今、スプリンクラーを1ヶ月間止めたなら、きっと全滅でしょう。蛇口をひねれば水が無制限に出てくる環境では、水の節約を真剣に考えることは難しいかもしれません。今回は、散水時間を短くする、散水日を減らすという方法とは違う“節約方法”を考えてみましょう。
スプリンクラーシステムのステーションをオン(オープン)にして家の前に立ち、どういう状態なのか確認してください。パークサイド(道と歩道に挟まれた部分)に設置されたスプリンクラーから散水される水はちゃんとパークサイド内に散水されていますか?スプリンクラーの個数、設置場所、スプリンクラーヘッドの形状の不適など、いろいろな条件が絡み合い、散水した水の半分以上が道に流れ出している家が多いのではないでしょうか。
この場合の対処方法は、①スプリンクラーの設置場所を歩道側から道側に移動する、②スプリンクラーの個数を増やす、③個々のスプリンクラーの散水半径を小さくする、④スプリンクラーヘッドの散水面積を変更する、つまり、パークサイドの形状(長方形)に適した散水面積を持つスプリンクラーヘッドに交換する—です。
現在、使用しているスプリンクラーのヘッドが交換できない場合は、スプリンクラー自体を、適した散水面積を持つものと交換する必要があります。この場合も新たな問題が発生します。散水面積の形状は、サイドストリップ(前方には少しだけ飛び、横方向には遠方まで飛ぶ形状)を使用する場合、パークサイドの幅と長さを考慮してください。散水距離はある程度、調節可能ですが、基本はオーバーラップ(1番のスプリンクラーの水が2番のスプリンクラーの周りに届く)です。スプリンクラーの周りは、水のかかりが悪いことをお忘れなく。
もう一つの問題は、スプリンクラーの高さです。プラントによって、スプリンクラーヘッドの上方への移動距離(ポップアップ)が、どのくらい必要かが違ってきます。2インチポップアップ、3インチ、4インチ、6インチ、12インチなどいろいろありますが、スプリンクラーヘッドは完全に土に埋まるようにしましょう。土から上に出ている部分が多いと、移動物体(靴、自転車、車のドア)との接触により、壊れる確立が高くなります。
芝生やフラワーベッドの形が直線ではなく曲線の場合は、角度が無段階で調節できるスプリンクラーヘッドもあるので試してみましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

