今月の庭仕事
Lesson80
2012-11-14
雨の音を聞きながら、このコラムを書いています。幸いドシャ降りではありません。昨日と今日は、カスタマーの芝生に肥料を播きました。今回の雨がさほど強くないことを前日に確認した上で散布しました。一昔前は、水の節約になるからといって、雨の強さを確認せずに肥料を播いてしまい、その翌日、大雨で流されてしまうこともありました。今はインターネットで、いつでも天気予報を確認できるので、上手く利用してください。
とは言っても、午前8時から雨が降り始めて12時にはやむと予報にあったので、仕事に行くのを家で待っていたら、11時になっても降らない。そこで、もう一度予報を見たら、今度は午後1時から降り始めて5時にやむと書かれていました。慌てて仕事に行ったら、ちゃんと1時から雨が降り始めました。声を大にして、言います。コンピューターの天気予報は正確です。いつ予報が変わるか分かりませんので、もっと小刻みに見るようにしましょう…。
さて、肥料だけではなく、発芽防止剤や雑草除草剤も同じです。肥料の窒素などは化学的に合成されたもので、濃縮されています。上記の薬剤も本来は地中に浸み込んで効力を発揮します。深く浸み込んでいく過程で、地中のバクテリアによって分解され、無害化されます。浸み込む前に流されると必然的にそれらは道路の縁石に流れ込み、そしてドレインへ流れ込み、海へと流れ込んでいきます。海に沈殿したり、魚の体内に取り込まれます。ケミカルのラベルに「魚には有害」と書かれたものを見かけることがあります。これは、「一度体内に吸収されると蓄積され、時間が経過しても体外に排出されない」という意味です。まわりまわって、人間の口に入ってくるので最終的には人間の体内に蓄積となります。
もう一つ、皆さんがよくお使いの殺虫剤がミックスされたバラの肥料(システミックフェーティライザーと呼ばれているもの)も、ラベルには「地中1~2インチに埋める」と書かれています。さて、なぜでしょう? 偶然かもしれませんが、この肥料には味があって鳥が食べてしまうようで、食べた鳥は死んでしまいます。きっと、巣で母鳥の帰りをじっと待っているヒナたちは餓死してしまうことでしょう。カスタマーがバラに肥料をやる時は、幹の周りにドッサッと投げ捨ててあるのがほとんどです。幹の周りから離して、耕して、上から周りの土を被せて、鳥から見えないように私がするまでに、いったい何羽の鳥が死んでいるかと考えると心が痛みます。くれぐれも、ラベルをよく読んでから使用しましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。