後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第199回 世界の動きと日本の混迷政治
2013-01-16
世界は激動期を迎えています。
大国の指導者の顔が変わった今年はとりわけ、二十一世紀前半を占う転機となりました。
ロシアの大統領がメドヴェージェフからプーチンに、フランスのサルコジがオランドに変わっただけではありません。
中国の総書記が胡錦涛から習近平に移行、二十一世紀の世界の覇権を狙う構えです。
オバマはロムニーを抑え、米大統領の四年の椅子を確保したものの、旧ソ連、反米勢力を抑えたかつてのパワーは陰を潜め、国家の勢いにかげりが出ています。
中国の台頭でオバマは伝統のヨーロッパ重視を控え、アジアにシフトを移そうとしています。
オバマを迎え撃つ習近平は高級幹部子女グループ「太子党」をバックに、政治委員の七人中六人を江沢民派で固めています。
この布陣によって、中国は「改革」より「保守」を採り、重視していくものとみられています。
尖閣諸島についても保守愛国の精神で日本に妥協なき強硬姿勢をとり続けることでしょう。
社会主義・中国の大地はすべて国家の国有地であり、私有は認められていません。
正当性があるかどうかの理屈より、中国の国有地を日本が掠め取ったというのが中国の論理であり、十三億の愛国心に訴えるメッセージです。
「愛国に根ざした言動は罰せず許容する」という愛国無罪の国柄だから、日本は今後、種々の局面で窮地に追い込まれることでしょう。
そんな中国を迎え撃つ日本の政体は制度疲労で、不安定で、まともな外交、危機管理に対応できるとも思えません。
議会の勢力図が変われば内閣基盤が揺るぎ、たちまち政権交代に連動します。
「太陽の党」を解党し「日本維新の会」に合流する政党再編のうねりの中で、安定的な政治の確立こそ急務です。
首相の任期を安定長期に固定すべきです。議院内閣制と首相を切り離し、任期四年の首相公選制に切り替えるときではないでしょうか。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。