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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第201回 全裸は正しい行動といえるか

2013-01-16

人前の全裸は正しい行動といえるか。
 自由都市、サンフランシスコが公共の場での全裸を禁じる条例を可決、話題になっています。
 条例は同性愛者が集まるカストロ地区等の全裸歩行にストップをかける措置で、賛成六票、反対五票という際どい表決でした。
 五歳以上を規制の対象とし、公道、歩道、分離帯、パーク、広場、公共交通、駅、停留所などの全裸行為を禁じています。
 違反者には罰金百㌦が科され、三回目の違反になると罰金五百㌦プラス禁固一年に跳ね上がるそうです。
 一方、オレゴン州裁判所は七月末、「全裸の抗議は合法」との判決をくだし革新派を喜ばせました。
 ポートランド国際空港で騒ぎは起きました。
 米運輸保安局が空港で実施中の「裸がみえるスキャナー」に抗議して全裸になった男性が公然猥褻罪に問われた事件で、裁判所は男性の抗議は「憲法上の言論の自由に当たる」と無罪を言い渡したのです。
 他方、英国では全裸を社業促進に利用、別の騒ぎになっています。
 ニューキャッスル・アポンタインのデザイン&マーケティング会社ワンベストウ社が金曜日全裸勤務制を導入し不況を乗り切る戦略です。
 「お互い裸だとバリアもプレッシャーも恥ずかしさもないわ。お陰で社業は順調」とマネジャーのサマンサ・ジャクソンさん。
 
 イスラム圏の女性は宗教タブーに泣いています。全裸どころか肌を晒すことを禁じられ、Tシャツ、ホットパンツを着用しただけで睨まれます。
 西アフリカのトーゴには、最近まで裸族がいました。北東部カラ州クタマクのバタマリバ人は一九七○年代まで種族文化として全裸を厳守していたそうです。
 古代ギリシャのオリンピックは男だけの競技で、神事と肉体美の側面から雄雄しい男の全裸が賞賛された時代です。
 プラトンによると、全裸文化はクレタに発し、スパルタを経て全ギリシャに広がったとのこと。
 全裸文化と露出狂の違いはどこにあるのでしょうか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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