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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第202回 精神論、根性論で勝てるのか

2013-01-16

更新日: 2013/01/16 | コラム名:後藤英彦のぶっちゃけ放題!

 組織のトップになると日本人はとかく配下に精神論を押し付け、精神を鍛えればどんな目標も達成できるとぶち上げます。
 伝統スポーツ界がその典型で、精神論と猛練習で不敗の根性を磨けと指導します。
 九州場所後の横綱審議会で「横綱(日馬富士)が九勝六敗、五連敗はいかん」と鶴田委員長。「次の初場所で二ケタ勝利に届かないようなら、引退ですよ」と沢村委員。
 猛練習と教育を結びつけ横綱白鵬と日馬富士がみせる張り手に苦言。
 「横綱が張らぬ日はなし大相撲」という投書の川柳を示し、「横綱が張り手というのはよくない。勝てばいいというものではない」と品格論。
 「三役以上の張り手はどうか。子供も見ている。教育上よくない」とも。
 
 近鉄時代の投手野茂英雄。練習をめぐって監督の鈴木啓示と口論になった話が知られています。
 遠投などの自己流でスタミナ作りをしていた野茂に、鈴木はひたすら走り込むことを要求。
 野茂が「一体何回走ればいいんですか」と訊くと鈴木は「何回とかとは違う。野球選手は黙々走るもんや」と根性論をぶち上げたそうです。

 精神論、根性論で思い出されるのは学生野球の父、飛田稲州(一八八六~一九六五)。
 早大監督や東京六大学野球連盟理事を務め、野球を武道に通じる「野球道」ととらえ、試合より練習に取り組む姿勢を重んじました。
 学生野球は教育の一環と説き、敵性スポーツの野球を根付かせることに腐心しました。
 野球に礼儀を持ち込み、精神論と猛練習を正当化しました。
 「一球入魂」、「練習常善」(練習で常に最善を尽くせ)などの造語を作り、過酷な猛練習の末に真の実力が備わると説きました。
 
 ロンドン・オリンピックで、金メダルを一個も取れなかった日本男子柔道の残したものはーー。
 本番直前まで猛練習を強いられ疲れ果て、体中の怪我と精神論に押しつぶされた〝負の結果″ではなかったのか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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