後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第203回 自民大勝、政権に返り咲く
2013-01-21
民主党と自民党の一騎打ちは自民に軍配が上がりました。
十六日の衆議院選挙で自民(二百九十四議席)が民主(五十七議席)に圧勝、公明と合わせ三百二十五議席を確保、政権を奪い返しました。
注目の日本維新の会は五十四議席、みんなの党は十八議席と善戦、日本未来の党はわずか九議席に終わりました。
自民、公明は衆議院定数三分の二以上を占める大勝で、参議院で否決された法案を衆議院で再可決できる体制を築きました。
ほぼ磐石体制を手中にしたわけで、右傾化に対する懸念の声が早くも出ています。
安倍総裁は尖閣、竹島などの島嶼を取り戻すとの強硬路線を打ち出しています。
中国と韓国は日本の右傾化を警戒し、平和憲法、国防、領土、靖国参拝、慰安婦問題などの行方に懸念の色を深めています。
安倍総裁は日銀に無制限の金融緩和や建設国債の引き受けを求め、デフレ脱却を目指す姿勢をアピールしています。
「日銀の国債引き受けは禁じ手(財政法で禁止)」と批判した民主党を黙らせ、日銀法を改正し、年二、三%のインフレを設定するとしています。
経済界は市場に間違った捉え方をされるとみて、国債の格下げや金利の急騰を心配しています。
自民党の主張、約束が選挙民に大受けしたわけではありません。民主党政権が脆すぎたのです。
三年四ヵ月におよぶ政権の迷走、政策・外交の誤りに国民が失望し、不満のはけ口を自民党に求めただけに過ぎません。
民主党は五十七議席に弱体化、前回選挙(三百八議席)の五分の一以下、本選挙直前(二百三十一議席)の四分の一の残状に泣いています。
討ち死にしたのは田中真紀子文部科学相、城島財務相、藤村官房長官、三井厚労相ら現役閣僚七人だけではありません。
仙谷元官房長官、松本元復興相、鉢呂元経済産業相、田中慶秋元法相ら閣僚経験十人も落選し、眼前の惨劇に肩を落としています。
日本の右翼政権の登場に、世界はかたずを飲んで見守っています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。