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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第224回ナチドイツにも慰安婦がいた

2013-05-28

 本音と建て前の応酬。
 沖縄に行ったとき米軍司令官に「(レイプ防止策として)もっと風俗嬢を活用してほしい」。
 「慰安婦制は必要だった」。「第二次世界大戦当時、世界各国がやっていた」。以上は大阪市長、橋下さんの本音の談話。
 建て前好みの報道人や政治家連、不用意な彼の発言を聞き逃すはずはありません。
 「戦時下のレイプ、性の奴隷制は国際法違反。女性に対する人権侵害」などと綺麗ごとを並び立て、大阪の暴れ馬の足を引っ張る勢い。
 彼は何も暴言を吐いているわけではありません。
 戦争の主題はいかに多く敵兵を殺し、いかに(味方兵に)性で不満を持たせないか。つまり彼は現実をズバリ語っただけのこと。
 敵兵を殺さなければ自分がやられるだけだし、公娼女を欠けば周囲の民間女性をレイプするか、路上の女性をとらえ慰安婦にするか。
 これが建て前論で済まない戦場の現実ではないでしょうか。

 ナチドイツにも慰安婦がいました。
 ドイツや占領地域の慰安所約五百ヵ所に最低三万四千百四十人の慰安婦を配置、体の奉仕を強制していました。
 強制収容所の一角や没収ホテルを慰安所とし、収容所のユダヤ女性や街頭のポーランド女性を連行し慰安婦にしていました。
 ナチ慰安所の初見は一九四二年、マウタウゼンとグーセンで、レーベンスブルック収容所のユダヤ女性を移送、慰安婦にしていました。
 四三年にアウシュヴィッツ、ブッケンワルト、四四年にノイエンガンメ、バッハウ、ザクセンハウゼンなどにも慰安所を次々設置。
 兵士のほかにナチに協力的なユダヤ囚人にも慰安所の利用を許していたそうです。
 どこも溢れんばかりの利用客で、ウージ(ポーランド)の秘密警察によると、一日平均兵士三千人を含め約四千人の来客があったそうです。
 予約制で二十分の奉仕料は2ライヒスマルク(約四千円)。
 戦争が建て前で済まない証拠の一つに、極秘のナチ慰安婦の悪夢をあえて紹介しました。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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