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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第225回冷コー、日傘、マスク・・猪木

2013-05-28

 日だまりの午後。口に涼しいアイスコーヒー(冷コー)、ご婦人のさす日傘の風景・・。    
 特派員を拝命、来米した七十年代半ば、冷コーを嗜む人も日傘のご婦人を観ることもありませんでした。
 滞米四年を経て帰国、再び米国の土を踏んだ八十年代末、冷コーを巷で買うことができました。
 スターバックスを買収したハワード・シュルツが全米展開に乗り出したころと期を一にします。
 七○年代初め、冷コーは東京の喫茶店メニューに必ず入っていました。
 思うに、こっそり来日したシュルツが東京の冷コーの盛況をみて帰国、自社のメニューに加えたのではないでしょうか。
 九○年代に入ると女性の日傘姿を米国で見かけるようになりました。
 これもおそらく日本化の一つ。日焼けを嫌う日本の女性、とりわけ日傘を好む駐在員夫人の習俗が取り入れられたのでしょう。
 もう一つ。流行風邪の防御や咳をするときの白マスクは米国人に奇異な感じを与えています。
 周知のように、これは防疫のためだけでなく他人に風邪を移さない思いやりの文化です。
 人々のマスク姿が米国の日常の景色になったらいい、と願っています。
 マスクといえば梶原一騎作のプロレスラー、タイガーマスク。
 一九七八年末、その作中の彼とタッグを組んだ実在人物アントニオ猪木から支局に電話が入りました。帰国内示が出て東京本社に戻る準備のさ中でした。
 彼の宿泊先ビルトモアホテル(LAダウンタウン)に行くと彼は「イディ・アミンとの一戦が来年一月と決まった。この話、時事通信にあげます」と売り込みました。
 アミンは当時、東アフリカのボクシングヘビー級チャンピオンで、元帥から大統領に上ったウガンダの独裁者。
 猪木対アミン戦の報道は日本で大いに受けたのですが、その後がいけません。反体制派のクーデターで当のアミンがサウジに亡命、対猪木戦はお流れになりました。
 策士の猪木、クーデターまで読むことはできなかったとみえます。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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