今月の庭仕事
Lesson86
2013-05-28
美味しい果実を作る秘訣のセミナーの解説を2回にわたり書きましたが、落葉果樹と常緑果樹がごちゃ混ぜになってしまったようです。ここで整理してみましょう。
常緑果樹(柑橘類を英語でシトラスですが、ネーブルオレンジ、タンジェリン、レモン、ライム、グレープフルーツなど)の場合、年に12月、3月、6月、9月の4回肥料を与えます。有機、化学肥料どちらでもかまいません。どちらも長所と短所があるので、使いやすい方を使用してください。チキンマニュア、コットンシードミールのミックスは両方とも有機肥料で土が活性化するので、肥料成分も良く効きます。
前述のチキンマニュア、コットンシードミールの主成分は窒素なので、リン酸が主成分のボーンミール(骨粉)との併用がお勧めです。4月下旬から5月中旬までに、全ての果実を収穫します。この時に、即効性である液肥(微量要素も含んでいる肥料、銅も含まれていればなお良し)を、木に対して「美味しいフルーツをいっぱいどうもありがとう、お疲れさま」と気持ちを込めてお礼肥として与えます。
この時に、結花前剪定をしましょう。花が咲く前に枝を透かして日光が内部まで射し込めるようにすると風通しも良くなり、害虫の発生予防につながります。気温が上がり始める頃から、シトラスリーフマイナー(新葉をグニャグニャにする害虫)の活動が活発化します。幼虫は葉の内部にいるので、普通のコンタクトタイプでは、直接、ペストサイドが害虫にかからないので効果がありません。この場合、卵を産み付ける成虫をコントロールします。雌の臭いで雄を呼び寄せるトラップ(捕獲器)を用いて害虫の数を減らし、被害を最小限に抑える方法しかありません。ISCA Lure-Citrella(Pheromone Lure for the Citrus Leafminer)という商品名で販売されているので、去年被害にあった方は使用してみてください。
幹や枝の表面に付くスケール(カイガラムシ:蟻がいれば、だいたいこの虫がいます)の成虫は、“厚い鎧”を身にまとっているので、スプレーが虫に届きにくく、殺虫剤やインセクタブルオイルを上からスプレーするだけではなかなかコントロールできません。この場合は、生まれた幼虫コントロールして被害を減らします。幹や枝にダクトテープを2回巻くと、1回目と2回目の間に幼虫が入り込むそうです。テープをはがして、そこに小さな黒い点があれば産卵期だそうで、この時にスプレーをすれば効果絶大だそうです。気温が上がり始める頃が、時期だそうです。五月くらいから試してみてください。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。