今月の庭仕事
Lesson90
2013-05-28
今から植えて夏にかけて収穫する代表的な夏野菜のご三家、トマト、キューリ、ナスの基本的な育て方を書いてみます。
今の時期にホームセンターなどで一番大きく丈夫な苗が出回っているのが、トマトです。大きくなるトマトにはその成長する株の形によってインディターミネットとターミネットの両方あり、前者は枝をたくさん出して大きくなり、形が定まらないので普通は芽かきをしながら丈夫な支柱に結びつけて一本立ちに育てます。後者はもともと直立性で、広がらないので、管理上、鉢植えなどに適しています。トマト苗のラベルに必ず書いてあるので参考にしてください。
トマトは案外と低温に強く暑さに弱いので、春に最初の花が咲いてる苗を買い求めて植え、本格的な夏場になるまでが収穫の勝負です。基肥に堆肥と化学肥料や数ヶ月堆肥化された鶏糞を使い、実が親指大くらいになった時点で、追肥を2週間に1回位のわりで与え始めます。株から少し離れたところに手の指で掴める位の量で、多く与えすぎないように気をつけてください。
次に出てくるのがキューリですが、これはトマトやなすに比べて繊細なので、苗の時はもちろん大きくなってからでも、根の張りが浅いので、他の者より、こまめな水分の管理が必要です。暑くなりだしたら、わらを2〜3インチに切ったものなどで地面を覆い、涼しくすると同時に乾きなどがないようにします。
追肥は、最初の花が咲く頃からトマトと同じような間隔でやりますが、キューリは実が大きくならないうちにとります。大きくなって種が入るようになったら成長がにぶり、株が疲れます。
ご三家の最後がナスですが、これらの中で一番暖かさ、暑さをこのみ、肥料もたくさん必要です。普通、2〜3本の枝で支柱をして形を作りますが、その理由は枝がいつも上向きで栄養がよく行き渡るようにするためです。一般の木々でも言えることですが、枝がさがると上向きのものより勢いがなくなり、実が小さくなります。基肥もバケツ一杯くらいに化成肥料を一握りくらいまぜて根も深く入るので、それに合わせて深くほどこします。
追肥は花が咲き始めたころより始め、同じ間隔です。秋ナスをほしければ、8月のはじめころ、3本の主枝をおもいきり切りつめて肥料をあげるとおいしい秋茄子ができます。ナスもマルチして、スパイダーマイトなどを夕方、水で吹き飛ばすことも必要です。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。野菜セミナー講師。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。