Alice in WINEderland
Vol.27 Sashimi and Wine
2013-05-28
去る1月13日、OCの人気和食レストランMitsuyoshiで開催されたWine Nose Club(WNC)の新年会に参加させて頂きました。MitsuyoshiのオーナーでWNCの代表の関 武彦氏が厳選した新鮮な食材をふんだんに使用した特別コースとともに、ソムリエ佐藤恵一氏がセレクトしたペアリングワインを堪能しました。
WNCはローカルおよび日本へカリフォルニアワインを販売するオンラインショップで、トレンディーで入手が難しいとされるワインの品揃えの良さに定評があります。また、佐藤氏は、日本人で数少ない国際的なソムリエ資格、コート・オブ・マスター・ソムリエのレベル3(アドバンス)の資格を保有されており、現在はアナハイムの高級レストラン、Napa Roseで勤務されています。
かつて、アジア料理には甘めのリースリングが定番とされてきましたが、多様なディメンションを持ち合わせる和食は、幅広いスタイルのペアリングの可能性を秘めており、最近特に注目が集まっています。例えば、数の子は、合わせるワインによって潮・海臭さを引き立ててしまう、ペアリングの難関食材とされますが、佐藤氏が推奨された仏シャンパンNV Agrapart & Fils Champagne Terroirs Extra-Brut Blanc de Blancはお互いの味わいを邪魔することなく、非常に良いバランスを築いていました。また、難関食材のもう一つの代表とされるのが、生うに。フランス・ローヌの白ワインE. Guigal Saint-Joseph Cuvee Lieu-Dit Saint-Joseph 2010との愛称は素晴らしいものでした。こちらのワインは、マルサンヌ品種を主体とし、その品種の特性からくる、やや優良オイルのような厚みがありつつ、クリーンなフィニッシュが特徴的です。また、画期的と言えるのが、赤みの刺身と熟成したカリフォルニアワイン。枯れかけの優しいタッチの古い赤ワインは、角がなく、マグロなどの質感とのフィット感が楽しめます。この時は、Clos du Val Cabernet Sauvignon 1978を頂きました。更に、お醤油を少しつけることで、より双方の味わいの距離間を縮めることができます。和食とワインの世界はまだまだ発見がありそうです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。