Alice in WINEderland
Vol.30 Wine Ghetto
2013-05-28
以前から噂に聞いていたWine Ghetto。オンラインでの情報も少なく、大規模なテイスティングルームなのか、それともそのエリア自体を指すのか、その真相を確かめるため、サンタバーバラ・ダウンタウンから車で北西に30分ほどのLompocへ向かった。住所のSobhani Industrial Parkに到着してみると、簡素な見た目のガランとした倉庫街。しかし、中に入ってみると、スチールの倉庫の1つ1つがテイスティングルームになっている。ここは、葡萄畑にテイスティングルームを併設しないワイナリーが、アンテナ・ショップ形式で集まっているエリアなのである。美しい葡萄畑を見ながらの試飲…とは行かないが、一日で効率良く、ローカルのワインを飲み比べするには最適。日本でも認知度が上がってきているPalminaやLoringから、生産量が年間100ケース以下のブティック系まで、20社近くが点在している。また、秋までには数社追加し、計26社が集結するとのこと。最初に訪れたのは、Taste of Sta. Rita Hills。こちらはゲトー内にあるワインショップ兼テイスティングルームで、オーナーのAntonioさんがセレクトしたローカルのワイン数種類を10ドルで試飲することができる。業界関係者のカジュアルな交流の場ともなっており、ゲトー内のお勧めスポットなど、情報収集のためにも見逃せない場所である。この日は6種類の試飲を行い、その中でもDolina Rio Vista VineyardとKen Brown Clos Pepe Vineyardのピノノワールは特に印象的だった。何れもカリフォルニアらしい華やかなアロマとスパイスのニュアンスがあるスタイルであるが、口に含むと、この地域特有の非常にキシキシとしたミネラルとボリュームがある酸が感じられる。その後、Antonioさん一押しの数軒も訪問。Flying Goat CellarsおよびLongoria Winesが特に記憶に残っている。前者は、以前ロゼスパークリングワインを取り上げたことがあったが、柔らかめの優良ピノノワールにも定評がある。後者もピノノワールで有名であるが、高品質で濃厚なシャルドネも魅力的。また秋に再訪するのが楽しみだ。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。