Alice in WINEderland
Vol.31 Beekeeper Cellars
2013-05-28
近年特に盛り上がりを見せる新世代ジンファンデル。黒葡萄品種ジンファンデルの元々のルーツは、イタリアやクロアチアなどの地中海沿岸の地域とされているが、現在は米国・カリフォルニアの独自品種として知られるようになった。有名な地域としては、パソロブレス、ソノマカウンティー、シエラフットヒルズ、メンドシーノが挙げられる。かつて、ジンファンデルというと、ピンクで甘いホワイト・ジンファンデルが主流であったが、ここ数年のトレンドとしては、高品質でエレガントなドライな赤ワインへのシフトが見られる。
中でも特に注目したいのが、Beekeeper Madrone Spring Vineyard, Rockpile, Zinfandel。初リリースの2009ヴィンテージで、ワイン評論家James Suckling から驚きの91ポイントを獲得し、ジンファンデル推進協会(ZAP)が昨年開催したイベントでは「2012年のトップワイン」として取り上げられるなど、一躍シンデレラワインとなった。現在入手可能な2010ヴィンテージもメディア各方面で高評価を受けている。このワインはLearnAboutWineの代表として知られるIan Blackburn氏とMauritson Winesのオーナー醸造家Clay Mauritson氏 が共同でリリースしているもので、彼ら曰く、ジンファンデルの潜在能力を引き出せる新スタイルの提案を目指しているとのこと。凝縮した濃厚なブラックベリーやブルーベリーのアロマに、シナモンやモカ、キャラメルのニュアンスが感じられる。口に含むと、ジューシーな黒と赤の果実に、優良なピノノワールを思わせるような繊細なフィニッシュが続く。ジンファンデルにプティシラー品種をブレンドすることで、より深みとコクがある仕上がりとなっている。現在、既に飲み頃ではあるが、数年寝かしてどのような変化が起きるか、とても楽しみなワインである。カリフォルニアらしく、がっつりとしたステーキとペアリングしてほしいと語るBlackburn氏。現在、ワインはロサンゼルスの有名ステーキハウス、CUT、BOA、Mastro’s、The Royceなどのリストに掲載されている。一般購入はウェブからのみ。是非お見逃しなく。
Beekeeper Cellars:
www.beekeepercellars.com
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。