Alice in WINEderland
Vol.33 Vietnamese Cuisine Pairing
2013-05-28
ここ2ヶ月、研究を続けているのが、ベトナム料理とワインの組み合わせ。ベトナム料理は、中国やフランスの文化などの影響を受けているため、マイルドな味付けが多いとされているが、ワインとペアリングする際には、料理によく使用される特徴の強いコリアンダー、ドクダミ、タイバジルなどの香草や、味付けのベースとなるヌックマム(魚醤)とのバランスに気を配ることが大切である。様々なスパイスや調理法に対応できるオールマイティーワインとして、個人的にお勧めしたいのが、スパークリングワイン。アペリティフとしてだけでなく、是非、食中酒としても活用して頂きたい。料理ごとにペアリングを考える場合、ベトナム生春巻きには、香草と甘いピーナッツソースを意識して、例えば、ドイツやフランス・アルザスで栽培される品種ゲベルツトラミネール。ドイツ語の「香料・薬味」に由来する名前からも分かるように、独特の香りと甘さのヒントが良い組み合わせ。また、イカのベトナムソース焼き、白身魚のターメリックソテーに、クリュ・ボジョレーなどのガメイ品種を合わせるのも面白い。ボジョレーというと、11月の解禁祭りのイメージが強いが、実はまろやかで、深みがあり、赤ワインでありながら、様々な魚介料理との相性が期待できる。また、カニや海老の蒸し料理には、酸と深みのバランスが良いスペインのアルバリーニョ品種、または、新世界系のピノブラン(例えばサンタバーバラ)をお勧めしたい。
最後に、私事で恐縮ですが、ベトナム・カニ料理で人気のビバリーヒルズの名店「Crustacean」にて、ソムリエとして働くこととなりました。お近くにいらっしゃる際は是非お立ち寄りください。
Crustacean Beverly Hills
9646 S Santa Monica Blvd Beverly Hills, CA 90210
(310) 205-8990
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。