Alice in WINEderland
Vol. 34 Lou Dumont
2013-05-28
先日、ロサンゼルス・パサデナの人気ワインショップMonopole Wineで開催された、近年注目のブルゴーニュワイン、Lou Dumontの試飲会に参加させて頂いた。日本人醸造家、仲田晃司さんが手がけるこのワインブランドは、オレンジ色のエチケットに、「天・地・人」と漢字が刻まれ、見た目もユニークで非常に印象的。アジアで最も影響力があるワインメディアとされる人気漫画「神の雫」でも大きく取り上げられ、日本とフランスの伝統と技術の架け橋を象徴するワインとして、注目を浴びている。個人的には、渡米を決めた2009年に、新地への旅立ちを記念し、Lou Dumont Chambolle Musigny 1989を大切な友人らと一緒に楽しんだことが、記憶に新しく、とても大切な思い出である。
仲田さんがワインに出会ったきっかけは、大学時代のアルバイト先のフレンチレストラン。その後、最高のワイン作りを夢に、単身渡仏。各地の醸造家の下で修行を重ね、2000年にLou Dumontを設立。また、外国人の土地取得に対して多くの規制がある中、非常に珍しく、2008年には、ジュヴレ・シャンベルタン村に自社カーヴを取得された。繊細で丁寧に造られた仲田さんのワインは、「ブルゴーニュの神様」と呼ばれる有名醸造家アンリ・ジャイエ翁からの評価を受け、「神が認めたワイン」と一躍世間で話題に。「自分自身のアイデンティティをワインに表現しなさい」という彼の言葉を胸に、仲田さんは、自身が日本人であること、また自然への尊敬と職人の魂の表れとして、ワインに「天・地・人」と入れたとのこと。
会場では、白1種類、赤5種類を試飲させて頂き、仲田さんより、ヴィンテージにより異なる特徴と魅力について説明を受けた。美しい酸とグラスの中でゆっくりと広がる魅惑のアロマに、参加者もうっとりとした様子。会場で購入したLou Dumont Vosne Romanee 2009、次は、どんな大切な日に開けようか、今から楽しみにしたいと思う。
Maison Lou Dumont: http://www.loudumont.com/
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。