Alice in WINEderland
Vol.35 Opus One
2013-05-28
カリフォルニアの高級ワインと言えば、オーパスワン。よく質問を受けるワインの1つであるため、今回はオーパスワンの基礎知識をご紹介。オーパスワン・ワイナリーは、フランスの5大シャトーの1つ、シャトー・ムートン・ロートシルトのオーナーとして知られるバロン・フィリップ・ド・ロートシルトと、米国の有名なワイン醸造家ロバート・モンダヴィによるジョイント・ベンチャーにより設立された。名前の由来は、ラテン語を語源とした音楽用語「作品番号1番」を意味し、エチケットには、2人の横顔と署名が印刷されている。右を向いているのがフィリップ、左を向いているのがロバートで、デザイン上フィリップが上であることから、その下に印刷されている署名では順序を変え、ロバートの方が上に。このワインが2つの国、また2人のワインの偉人の最良の融合作品である、というメッセージが細かいところにまで込められている。
ワインは、カベルネ・ソーヴィニョンが主体で、その他数種類の品種がブレンドされたボルドースタイル。カリフォルニアらしい、熟した赤と黒の果実のアロマが広がるが、口に含んだ際のバランス、余韻の長さからも、上質のボルドーワインを美しく再現していることが感じ取れる。単一年の、単一畑の葡萄を使用しているため、その年の天候や葡萄の出来が、大きくワインのスタイルに影響を与える。そのため、毎年、専門チームが、ブレンドする品種とその比率を調整し、最高品質を保ち続けている。驚くことに、全ての葡萄の寸法をコンピューターチェックしており、醸造家曰く「完璧な」形の葡萄のみがオーパスワン用に使用される。その他の葡萄は?と言うと、セカンドラベルのオーバーチャーに使用される。オーバーチャーも同じく音楽用語で「序曲」を意味し、オーパスワンへ続くイントロ的な位置付けとされている。
オーパスワンを開ける際は、是非トリビアも楽しみながら。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。