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コラム

現代社会ド突き通信
Vol.11 アメリカに五十年住んで観察した 今回の大統領選挙とその後

2013-05-29

 二〇一二年九月のある日、少しリベラルなMSNBC・TVとCNN・TVを観ていると、ロムニーの資金集めの夕食会を隠し撮りしたのが繰り返し放映された。ロムニーが共和党の選挙資金集めの会で人々に「47%の弱者や老人、少数民族は税金もろくに払わないし、政府の福祉を受けてばかりいる側を無視することにした。彼等は私に投票しないのは明らかだから、他の53%に力を入れる」と、話していたので耳を疑った。
 大統領になろうという者が53%だけの面倒をみる? 市民全部の面倒をみ、安寧を図るのが義務である。そういう意識もない。
 47%の人は侮辱され、大いに怒った。「人間は、侮辱した側は忘れていても、侮辱された側は決して忘れないものだ」ということを私は永年の人生で学んだ。これが大きな敗因になった。
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 この映像は、カーター元大統領の孫が手に入れ、リベラルな「マザー・ジョーンズ」誌のワシントン支局長デイヴィッド・コーンに渡した。コーンは絶えずMSNBCで解説をしていて私が尊敬している男である。彼がそれをMSNBCに持ち込んだのだ。
 ロムニーは47%を侮辱しても謝りはしなかった。オバマとの討論では、次から次へと嘘をでっちあげた。
 最後の討論では、中絶反対だったロムニーは女性は皆、中絶の権利を有すといったり、オバマ大統領がジープを中国で生産する計画を立てているという嘘を話した。クライスラーからそんな企画はないと文句がでて、嘘がばれた。
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 オバマは中国に多くの借金があるので、企業をアメリカにもって帰るべきだと選挙演説で何回も話していたので、ロムニーは自分の所有する企業のベイン・キャピタルが早くから中国に進出したのを焦点から外したかったからだ。 
 また、「中国の元が不当に安いので、元の為替値を上げさせる。しなかったら攻撃をするぞと脅かす」とロムニーが言った。あるコメデイアンは「中国から借金しているその金で攻撃する?」と言って笑った。
 ロムニーはビジネスで成功したのだから (本当は父親が成功させた)経済を復興する方法を知っている。投票してくれと繰り返して言っていたが、具体的な方策を出さなかったので有権者は信用しなかった。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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米谷ふみ子




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