現代社会ド突き通信
Vol.13 アメリカに五十年住んで観察した 今回の大統領選挙とその後
2013-05-29
ビル・モイヤーズ(ジョンソン大統領の時の報道官)が持っている教育テレビの番組で、一九七七年から一六年間共和党下院議員をし、今はアスペン・シンク・タンクのダイレクターで、また多くのアイビーリーグで憲法を教えているミッキー・エドワーズがインタビューされていたが、「今の共和党は投獄されたロビイストのアブラモフの仲間の一人グローバー・ノーキストが共和党員に金持ちの税金を上げないことを誓わせ、サインさせている。
そういう命令に従う党員が増えたのが心配だ。共和党員にもいろんな違う意見があるのにである。
私が議員の時はそんなことは存在していなかった。私は憲法にのみ宣誓していた」と嘆いていた。
▼ ▲
どこの国も同じで、一年生の政治家は「どれだけ資金が集められるか」と聞かれるそうである。この度の大統領選挙で私が一番恐れていたことは選挙資金の多寡で大統領がきまるのではないかということだった。
政治家になる人は金持ちになりたいからだと思っている。彼等は役者であり、嘘を平気でつく。前の地方選挙で、共和党のクリスチーン・オドネルという若い女性が選挙に出て落ちた。七ミリオン・ドル資金を集め自分に遣った、問題になっていたが裁判もなかった。政治家が金持ちでは一般市民の事情が分からない。
▼ ▲
ブッシュJr.前大統領が退任前に共和党のレガシーとして、連邦最高裁長官に保守的なジョン・ロバーツを任命した。オバマが大統領になってから二年後に、ロバーツは、これから企業を個人として扱うので政党への企業献金は企業名とか金額を公表しなくても良いとの判決を下したのだ。
これじゃあこの社会は王様と奴隷の社会になるではないか・・・それも、アメリカがこういうことをすれば、世界中が真似をするだろう(既に、橋下大阪市長が真似をした)世界は二百年後退すると私は暗澹とした。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。