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コラム

現代社会ド突き通信
Vol.14 アメリカに五十年住んで観察した 今回の大統領選挙とその後

2013-05-30

 今度の選挙は両党とも金集めに大童だった。オバマなんか国政ほったらかしと言う感じだった。
 中でも、今アメリカでウオレン・バフェットを抜く一番の金持ちと言われているコーク・ブラザーズ(父親は白人至上主義のジョン・バーチ・ソサエテイの創設者の一人)が、共和党大統領候補のロムニーを当選さすために、ブッシュ親子の元老で策士のカール・ローブに四億ドル(約三二〇億円)もの選挙資金を渡していたという。落選したので、当惑したローブの顔がテレビに何回も映された。
 コーク・ブラザーズの企業は、石油精錬と石油化学製品、製材業や製紙業で年間総収入は千億ドル単位。最大汚染企業一〇に入る。
 彼等がロムニーを応援した理由は、自分達の収益を増やすために、EPA(環境保護局)をなくし、労働組合を壊す(健康保険や年金積み立てを雇用人に払わなくてもよい)。金持ちの税金を増やさないのが目的。 
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 今度の選挙で共和党は女性に宣戦布告したので女性が目覚め54%が投票に行った。
 ロムニーが副大統領候補にポール・ライアンを選んだ時、彼は大統領になりたくないので、途中で降りる訳にも行かず、ライアンを選んだのではないかと私は思ったくらいである。
 ライアンは下院の予算委員長で、「一番国の予算に食い込んでいるのは低所得者のメディケイドや六五歳以上の健康保険メディケア、国民年金で、これを払い続けると、国は破綻してしまうから削除すると言っていた。
 テレビでリポーターが「そういうことをすると、弱者の生命が危うくなるのでは?」と問い詰めると、「So be it」(それでいいんだ)と言ったのに私は慄いた。
 こんなこと悪名高いニクソン大統領でも言わなかった。ウオーターゲイトの時は嘘をついたが、ニクソンは女性の健康のための診療所を開いたりもしたし、メディケアや年金に手を付けるようなことは思いも付かなかった。嘘は就いたが・・。
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 その上、カトリックのライアンは産児制限や中絶に反対で、強姦でも中絶反対である。
 以前マサチュセッツ州の知事をしていた時は中絶賛成だったモルモン教のロムニーは同調した。
 私の夫は、ライアンが大統領にでもなれば大変だ、彼と同じ州のマッカシーを思い出すと言っていた。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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米谷ふみ子




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