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コラム

現代社会ド突き通信
Vol.15 アメリカに五十年住んで観察した 今回の大統領選挙とその後

2013-06-14

 共和党上院候補で女性に酷いことを言った議員が二人いる。あっちこっちの新聞やテレビで報道された。
 エイケン議員は「本当の強姦なら女の体は丸ごと拒絶する」と言った。これには共和党幹部は候補を辞めろと言ったが出て落ちた。
 もう一人マードック議員は「強姦は神の思し召し」と言った。彼も落選。どうしてかロムニーは反対しなかったので、女性やインテリ男性はロムニーを見放した。
 政教分離の筈なのに、政治家の宗教の信条を女に押し付けるのは百年の後退になる。女が自分の生命を自分で守る権利の剥奪であると女達が怒った。
 同時にマサチューセッツ州の上院選挙が話題になっていた。男性誌の表紙に裸のモデルで出たほどハンサムで、ティーパーティが押して二年前に共和党の上院議員になった男がいる。亡くなったケネィ民主党上院議員の後に入ったスコット・ブラウン。
 彼の対抗馬として民主党からエリザベス・ウォーレンが出た。ハーバード大法学部教授でウォール街を批判した彼女を、オバマが消費者・金融保護局の長官にしようとしたら、共和党議員が大反対した。だから、彼女は政治家になって国を変えようと思ったのだ。
 討論でブラウンは「あなたがハーバードに職を得たのは、先祖に先住民がいるから少数民族優遇措置を使ったんだろう」と彼女に資格がないような質問をした。彼女は「そんなことうちの家族では問題にもしていないので、ハーバードには知らせなかった」と言い返した。
 これを聞くと誰だって腹が立つ。他州の女性も資金集めをし、女子学生はボランティアで応援し、彼女が勝った。将来、彼女は大統領になるかもと言われている。
 オバマは少数民族、インテリで偏見のない老人、女性、ゲイの支持で勝ったと思う。正確な統計ではないが、NYタイムズによると、55%の女性、93%のアフリカ系、73%のヒスパニック、アジア系73%がオバマに投票した。
 この度の選挙戦で感じたのだが、保守的なマードックのフォックス・TV (ニューズも度々でっち上げのが多い)を除いては、新聞もテレビも雑誌も最終段階で、民主党に加担していたようだ。ロムニーが大統領になると、皆自分達の報道の自由がなくなることを恐れていたのではないか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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米谷ふみ子




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