後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第229回 運営力と治安に勝る東京有利
2013-06-25
二○二○年の夏季オリンピック招致に東京、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)の三都市が名乗りを上げ、PRに必死です。
東京をイスタンブールが追う展開で、マドリードは出遅れています。
「イスラム圏初の五輪」、「ヨーロッパとアジア(の接する場所)で開かれる大会」。
このイスタンブールのキャッチフレーズは好感度抜群で、IOC(国際オリンピック委員会)に好印象を与えています。
イスタンブールをライバルとみた猪瀬都知事、「イスラム圏はけんかばかり」とつい本音。
この失言を取り上げたのがNYタイムズ。あわてた猪瀬知事、アラブ圏の大使団に「誤解を招く表現でお詫びします」。
アンカラに滞在中の安倍首相も日本トルコ経済委員会で懸命に火消し。 「もしイスタンブールが五つの輪を射止めたら、私は誰より先にイスタンブール万歳と申し上げたい」。
イスラム圏は日本の謝罪を容れました。
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IOCはレスリング、野球・ソフトボール、スカッシュのなかから一つだけ中核競技に復活させ、九月総会で開催地と共に決定します。
レスリングはトルコの国技です。
過去のレスリングメダル獲得数をみると、①米国一二九個(金五二、銀四三、銅三四)②ロシア一一六個(金六二、銀三一、銅二三)。
③スウェーデン八四個(金二八、、銀二七、銅二九)④日本六二個(金二八、銀一七、銅一七)⑤トルコ五七個(金二八、銀一六、銅一三)。
金メダルに限るとトルコは日本、スウェ―デンと並んで二八個で、伝統を堅持しています。
トルコとレスリングは対で、開催地をイスタンブールと決めればレスリングを復活競技に選ぶことになるでしょう。
猪瀬発言で躓いた日本はレスリングでトルコと互角で、野球で億対一の実績差をつけています。
ところがここに来てエルドアン首相のイスラム政策を嫌ってデモが多発、トルコの治安の不安が急浮上しています。競技の運営と治安に勝る東京に多少有利な展開になっています。
【訂正】
6月12日号の本欄で紹介したCity of GlendaleのContact usは現在、機能していません。慰安婦記念碑の除幕式撤回要求および抗議の数々は市議会事務局のcitycouncil@ci.glendale.ca.us かマノウキアン市議のmanoukiancouncil@gmail.com宛てEメールでお願いします。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。