Alice in WINEderland
Vol.37 Sommelier
2013-06-26
今回は、今更ながら、ソムリエとは?に注目。歴史を探ると、中世ヨーロッパ・フランスに遡るとされ、王様の飲食物を管理する人で、特に、毒味をする役職であったとする説が有力とされている。現在は、レストランのワインの仕入れ・管理を担当し、豊富なワインの知識をもって、お客様にワインサービスをする人のことを指す。
日本では、バブル期からのワインブームに乗って、ソムリエという職業が定着し、一般的に、日本ソムリエ協会のソムリエ認定試験の合格者であることが多い。なお、日本のソムリエ試験は、一部の例外を除き、レストラン業界経験者を対象とし、その他、ワイン事業者を対象とするワインアドバイザー、一般の人も受験できるワインエキスパートの試験がある。
米国では、これまで、ソムリエはワインディレクターの類語として幅広い意味で使用されてきたが、近年のトレンドとしては、特定の承認機関の資格試験に合格した人のみがソムリエと名乗れるという流れになってきた。米国のレストラン業界で一番権威があるとされている承認機関は、イギリス発祥のCMS(Court of Master Sommeliers)であり、レベル1~4の資格のうち、レベル2以上の合格者が認定ソムリエとなる。レベル4(マスター・ソムリエ)は、非常に難関な資格として有名であり、1969年の設立からこれまで、世界中で約200名のみしか認定されていない。
その他、国際ソムリエ協会の米国支社であるNASA(North American Sommelier Association)が定めるソムリエ認定コースの卒業をもって、ソムリエというタイトルを手に入れることもできる。なお、厳密に言うと、各大学が有するワイン学科を卒業、また、国際的に有名なワイン資格機関WSET(Wine & Spirit Education Trust)の資格を取得しても、認定ソムリエと名乗ることはできない。
もっとソムリエについて知りたいという方には、前述CMSのレベル4を目指すソムリエの苦悩の日々を追ったドキュメンタリー映画SOMM(今夏公開)がお勧め。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。