現代社会ド突き通信
Vol.17 アメリカに五十年住んで観察した 今回の大統領選挙とその後
2013-07-12
前にロムニーが落選したのは、九月に最初にMSNBC・TVが彼の資金集めの会を隠し撮りした映像を何回も流し、他のテレビも流し出したのが大いに影響を与えたと書いた。誰が撮ったかということは発表されなかったが、私はこれを観て、民主党にも大した策士がいると驚いた。
隠し撮りが全国にテレビで放映された直後、ビル・マーという元コメデイアンで、今、政治に関するトーク・ショーのホストをしている男がちらっと「あれは、あそこにいたバーテンダーだったんだよね」と、ショーに出ている人々の顔色を伺ったのをわたしは観た。何かマー自身が言ったらいけないのを遂、口を滑らせたという様子だった。
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三月の初めにカーター元大統領の孫がテレビでインタビューされていて、あのフィルムのことを話していたが、名前は発表しないという約束だから、話せないと言った。それから、一週間目くらいに、MSNBC・TVであの会を撮ったカメラの持ち主が、アンカーのエド・シュルツに一時間インタビューされているのを観た。
この男は、ロムニーがいろんなことで未だに嘘ばかり言っているので、遂に、名乗りでることを決心してシュルツに連絡してきたという。他にテレビに出ると五万ドル出すと言った局もあったが、MSNBCは無料でインタビューする掟になっているのだが、信用できるからだ。スコット・プラウテイという三十八歳の男で、共和党にも民主党にも属していない独立で、活動家でもない。
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この映像を撮ったのは、以前にクリントン大統領が来た会に宴会業者に雇われて行って、バーテンダーをしていたとき、スピーチが終わってから、大統領は、皆に親しく握手をしたり、皆と写真を撮ったりしていたので羨ましかった。今度は大統領の候補のロムニーの資金集めの会と聞いたので、写真を一緒に撮れるかもとカメラをリュックに入れて持ってきて、働いている所のテーブルに置いて、カメラを自動的に回していたと言った。
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