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コラム

苦楽歳時記
Vol55 美しい日本語

2013-07-26

何時だったか、日系マーケットのフードコートで、中年婦人の話す声が聞こえてきた。「子供たちはアメリカで生活するのだから、英語がしっかりと身につけば国際人として育つ、日本語が解らなくてもいいわ」。

聞くつもりはなかったが、自然と耳に入ってきた。僕はとっさに、その考え方は間違っていると思った。まことの国際人は、母国語が完璧に話すことのできるバイリンガルのことである。

英文学者の外山滋比古さんの著書、『わが子に伝える/絶対語感』の中で、「英語の早期教育より、きちんとした母国語を身につけるようにと警鐘を鳴らしている」。

そのためには、幼少期からの読み聞かせの習慣と、詩など定型詩を作ることも肝要だ。それをすることによって、創造性やひらめきが活性化してくるのである。

或る著名な編集者が述べていたが、歌人や俳人に随筆を依頼したら、舌を巻くほど上手に書けていた」。

このように定型詩による表現が秀でた者は、散文も優れているのである。まずは日本語で詩や定型詩を書くことで、将来、英語でも素晴らしい文章が書けるようになるのだ。

今や日本の小中学校では、外国人教師を招いて英語教育が盛んなところもある。英語を話せることは必要であるが、それよりも国語教育の方がもっと枢要だ。なぜならば、全ての勉学が国語を基としているからである。

本紙では、読者から寄せられた詩、俳句、川柳を、隔月に掲載している『ポエム・タウン』というコーナーがある。毎回、老若男女の秀作が発表される。

『ポエム・タウン』の趣旨は、「日系社会における美しい日本語の推進と、詩、俳句、川柳を通して、純粋で素直な感性を育むことを目的としている」。

美しい日本語よ、永遠なれ!


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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