後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第236回 全国に配置された米兵用慰安所
2013-08-13
「急告―特別女子従業員募集 衣食住及び高給支給、前借しにも応ず。地方よりの応募者には旅費を支給する。 東京都京橋区銀座七の一 特殊慰安施設協会」
同協会は終戦直後に創られた米兵相手の国立売春施設です。
英語名では「余暇・娯楽協会」(RECRIATION AND AMUSEMENT CENTER)と婉曲語法になっています。
米軍上陸後、沖縄では米軍兵士による約一万の強姦が発生したとみられています。
神奈川県下でも米軍進駐の最初の十日間で、一三三六件の強姦が公表されています。
協会は米軍進駐後の強姦を防ぐ狙いで創られたもので、のちの首相、池田勇人が資本金一億円の調達に尽力したそうです。
冒頭の「急告」は終戦間もない時期の毎日新聞に掲載された公募で、売春プロや戦争未亡人ら五万五千人もの女性が応募してきたそうです。
在日連合軍は終戦年の十二月現在、四十三万余の兵士を日本全土に駐屯させていました。
慰安所の絶対数が足りないので、都内で焼け残った花街五ヵ所、売春街十七ヵ所の米兵使用を要求したそうです。
終戦十日目に大森海岸の料亭・小町園を慰安所第一号に指定、終戦三ヵ月以内に東京都内だけで二十五ヵ所の慰安所が開かれています。
将校用慰安所としては終戦年十月に墨田区向島の迎賓館大蔵と十一月に世田谷区若林のRAAクラブの二ヵ所が認められています。
一般兵士用慰安所としては品川区の割烹旅館、小町園、楽々、見晴、波満川、蜂之喜、花月、やなぎ、乙女、清楽、日の出・・・。
さらに多摩で福生営業所、調布園、西多摩で楽々ハウス、立川でキャバレー富士、三鷹でニューキャッスルに兵士用の営業許可が下りています。
熱海の玉乃井別館、富士屋本館、箱根の常磐ホテル、富士屋ホテル、強羅ホテル、大阪のアメリカン倶楽部、名古屋のナゴヤクラブで米兵用慰安所が公認されました。
人殺しと性犯罪二本立ての戦争は例外なく綺麗事では済みません。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。