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コラム

Alice in WINEderland
Vol.41 Grgich Hills

2013-08-21

Grgich Hills Fume Blanc は、この世界に魅了された「きっかけワイン」の1つであり、初めて試飲した2009年から4年が経つ今も、いまだに個人的トップ10に入る思い入れの深いワインである。Grgich Hills Estate は、カリフォルニアの真髄とも言える老舗。1976年の「パリの審判」の勝者ワインの造り手としても知られている。

パリの審判とは、英国人ワイン商Steven Spurrier氏が主催した、専門家を集めたブラインド・テイスティングで、全く無名のカリフォルニアワインが、最高峰のフランスワインに打ち勝つという、カリフォルニアワイン業界において最も重要な歴史的な事件を指す。各メディア、特にTIME誌が、「Judgment of Paris(パリの審判)」という見出しでその結果を大きく取り上げた事が、カリフォルニアワインを世界に羽ばたかせるきっかけとなった。

当時、無名のそのワインが、Chateau Montelenaであり、その醸造責任者が、現Grgich Hillsの創始者Mike Grgich氏である。独立後も、彼のワインは、常に業界のパイオニアとして国内外で高く評価され、大統領の公式晩餐会などにも数多く登場するなど、高品質の代名詞となっている。

現在のところ8種類のワインをリリースしており、所謂主要な葡萄品種の他、Grgich氏のルーツであるクロアチアの土着品種、Plavac Mali (赤)やPošip (白)など非常に珍しいワインも生産している。有名でありながらも、大量生産を避け、より繊細で自然なワイン造りの追求のため、2006年以降は全ての畑にビオディナミを採用し、伝統を重んじながらも、革新を続け、努力を惜しまない。

余談ではあるが、Grgich氏を描いたとされる映画Bottle Shock(2008年)では、Chateau Montelenaの名前のみが触れられている。「映画のスポンサーになれば実名とワイナリーを宣伝する」という裏話があったとか。関係者曰く、ワインはビジネスではなく「joy」であると考えるGrgich氏は、そのオファーを断り、映画では一切彼について言及されていないという結果になったとのこと。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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Alice Hama

ワインコンサルタント
定ワインエキスパート、SWE認定ワインエデュケーター、SSI認定利き酒師、日本ワインを愛する会米国アンバサダー、西海岸ワイン族役員。

www.facebook.com/WINEderland




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