Alice in WINEderland
Vol. 42 Girasole Vineyards
2013-09-04
初めてのワイン資格を取得してから、5年が経とうとしている。東京のOL時代に、趣味で勉強を始めたワインが仕事になるとは、当時は全く想像していなかった。この5年間の間に、様々な資格試験に挑戦してきたが、その中でも特に印象に残っているのが、カリフォルニアの北部、メンドシーノに関する出題だった。通称「Island in the Sky」と呼ばれ、非常に高度な地域に葡萄畑が位置することから、カリフォルニアでは珍しく、非常に冷涼で、旧世界を彷彿とさせる繊細なシャルドネやピノノワールの栽培がさかんな地域を述べよ、という問いであった。天空の島とは、実にロマンチックなネーミングだなと思った記憶がある。
最初に飲んだメンドシーノのワインは、Girasole Vineyardsのシャルドネだった。Girasoleとは、エチケットに描かれているように、イタリア語で「ひまわり」という意味であるが、冷涼な地域であるにも関わらず、夏の花とは、そのギャップに不思議な親近感を感じた。ワイナリーの創設者は優良なワインの生産地として知られるイタリア・ピエモンテ州からの移民。シャルドネやピノノワールなどの主要品種に加え、サンジョベーゼなどのイタリア品種のワインもリリースしている。California Certified Organic Farmersの認定を受けているオーガニックワインのパイオニアの一人として高く評価されており、葡萄そのものの味わいを最大限に生かし、クリーンでピュアなワイン造りに力を入れている。和食をはじめ、様々なお料理との相性が良いことから、レストランのワインバイヤーからも評判が高い。
昔のブログを読み返してみた。「メンドシーノのヒマワリのような場違いキャラながら、心優しい人に囲まれて、3年間、素敵なお勉強をさせていただきました。ちょっと羽を休めて、また新しい空へ飛び立ちます。」と書いてあった。この5年間を回想しながら、ふと、またあのシャルドネを飲んでみたいと思った。
*写真のエチケットは思い出深い旧デザイン版。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。